福島第1原発のデブリ、運搬用容器へ移し替え終える 7日に回収作業を完了見通し
東京電力は6日、福島第1原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)の試験採取で原子炉外に取り出した微量のデブリを運搬用容器に移し替える作業を終えたと発表した。順調に行けば7日に容器を専用コンテナに運び込む作業を実施し、回収作業が完了する見通し。デブリ回収に成功すれば、原発事故後初となる。 【画像】福島第1原発2号機のデブリをつかんだ採取装置 東電によると6日午前、原子炉外に設置した金属製の「隔離箱」の中で、採取したデブリをアルミニウム製の運搬用容器に遠隔操作で移し替えた。10月30日に採取したデブリは5ミリ程度の大きさと推定。今月5日にデブリから20センチ離れた距離で放射線量を測定した結果、回収可能な基準値以下の毎時約0・2ミリシーベルトだった。 7日は隔離箱から運搬用容器を作業員が取り出し、樹脂製の専用コンテナへ収納する。東電はコンテナに収納できた時点で、今回のデブリ試験採取が成功したと位置づける。回収後は国の研究機関に運び、デブリの性状を数カ月程度かけて分析。将来の大規模取り出しに向けた工法の検討に役立てたい考えだ。 デブリの試験採取を巡っては、当初計画より3年遅れの今年8月に着手する予定だったが、回収装置を炉内に押し込むパイプの接続ミスで作業を中断。9月の再開後もカメラの不具合で再び中断し、想定外のトラブルが相次いだ。