【UFC】ダウンから逆転の一本勝ちの風間敏臣「ずっと洞窟みたいなところを歩いていた」「自分のターンが来るのを待っていた」
2024年8月11日(日本時間)『UFCファイトナイト・ラスベガス95』(U-NEXT配信)が米国ラスベガス大のUFC APEXにて開催された。 【写真】初回も獲っていた風間。見事なスイープも決めている。 バンタム級では、風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)が、ハラランボス・グリゴリオウ(キプロス)と対戦。風間が2R、グリゴリオウの左でダウンを喫しながらも、強烈なヒジ・パウンドを凌ぎ、下から三角絞めを極め、オクタゴン初勝利を掴んだ。 1Rでも、シングルレッグから寝技に引き込み、腕十字を仕掛けていた風間。ヒジを抜かれて下になっても右で脇差し、左でオーバーフック、右足を跳ね上げてスイープを決めていたことで、トップでも寝技への脅威がグリゴリオウに植え付けられたか。 2Rに左でダウンを奪ったグリゴリオウはヒジの連打も、フィニュシュしきれず疲弊し失速した際に、トップでステイ。その先が無いことを知っていた風間はピンチを凌ぎ、三角絞めを極めて逆転勝ちした。 試合直後、ケージ上でのマイケル・ビスピンのインタビューに風間は「どっかで必ず自分の出番、ターンが来ると信じていたので、それが自分の柔術を活かせたので良かったです」と安堵の表情。UFC初勝利の気持ちを問われ、英語で「毎日、勝ちたいと思っていた。でも、今日勝ちを掴んだ」と、力強く語った。 バックステージに向かう廊下では、「すみません、いつも危ない試合をして。『ROAD TO(UFC)』は正直、自分では勝ちと思っていなくて今回、やっと一本取れて勝ちました。柔術最高、ありがとう」と、UFCファイターとして納得できる勝利を得たことと、バックボーンである柔術への感謝を述べている。以下は、会見での風間の一問一答の言葉だ。 ◆セコンドの声がずっと聞こえてたから耐えて耐えて耐えて── ──激闘でした。試合を終えた率直な感想を。 「率直に安心と、まあ嬉しさというのは正直ないけど、安心が強いです」 ──ここまで負けを経験して今回の勝利があった? 「そうですね。その負けのなかで、ずっと洞窟みたいなところを歩いていたようなイメージだったんで、今回もちょっとそれに近いような感じではあるけど……うん、それを勝ちに繋げられたっていうことが自分の中で成長だと思います」 ──ここまでの試合と今回の試合に何か環境の変化はありましたか。 「環境に違いは感じなくて、ただ自分がやってきたこと、積み上げてきたことを出そう、ってそれだけでした」 ──負けが続いた時にどうやってモチベーションをキープしえきましたか。練習に気が向かないときなどはなかったですか? 「うーん、練習に気が向かないとかは無くて、もうただ自分を安心させたい、家族を安心させたいっていう、もうただその気持ちだけで。周りと本当に身近な人間と応援してくれる人、プラス自分を安心させたいっていう、その気持ちだけがあって体を動かしてましたね」 ──試合をしてグリゴリオウについて驚きはありましたか。 「ビックリしたこととかはなくて、ただ上体が強い、フィジカルが強いっていうのと、あと相手のセコンドがアルジャメイン(スターリング)なのがちょっと自分の中で、何だろう、変に飲まれなければいいなっていうのはずつと思ってました。ファン? ファンではないですけれでも、彼をすごいリスペクトしてるんで、変にプレッシャーはあったかなと」 ──グリゴリオウが片手をマットに着いた状態で顔面ヒザ蹴りの反則になりました。11月からはルールが改正され、反則にならない技でしたが、中断となってどう感じていましたか。 「自分のなかであれは咄嗟に出ちゃったことで、本当に相手に申しわけない気持ちはありますね、今でも」 ──ダウンを喫し、フィニュシュ寸前まで打撃を受けましたが、いかに冷静に一本を極めたのでしょうか。 「ただセコンドの声がずっと聞こえてたから、耐えて耐えて耐えてずっと自分のターンが来るっていうのを待ってました。それで自分のターンが来た時に確実に仕留める。自分の強みである“柔術で仕留める”っていうことだけを考えてました」 ──2週間後の『ROAD TO UFC』準決勝に出場する選手たちにアドバイスがあれば。 「アドバイスとかは自分から言うことはなく、もうただ自分のことだけで一杯だから、正直何にも言えないです」 ──試合後のお祝いはどうしたいですか。あとボーナスの可能性もあると思います。 「お祝いは本当、ただセコンドのみんなと美味しいものを食べたいなっていう、ただそれだけで、自分の中では2つぐらい(店を)ピックアップしてます。あとボーナスに関しては、お願いします!」 試合後、風間は「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」として5万ドル(約730万円)のボーナスを獲得している。