北海道室蘭市で起きた元中学校教師の男による殺人未遂事件。 　その後、被害者の女2人も、この男を恐喝していたとして起訴されています。 　2月8日、女2人の恐喝事件について初公判が開かれました。

元教え子2人と元教師 全員が被告に…

　元中学校教師の75歳の男と、教え子の40代の女2人。 　全員が「被告」です。 　8日、札幌地裁・室蘭支部で開かれた初公判で、恐喝などの罪に問われている、ともに室蘭市の無職・五十嵐みゆき被告(49)と小田桐梨沙被告(46)による事件が審理されました。 　起訴状などによりますと、2人は2021年、中学校の元教師・野澤俊重被告(75)の自宅に押しかけ、慰謝料などの名目で300万円を脅し取った罪などに問われています。

恐喝された野澤被告が女2人を千枚通しで刺した現場

　さらに2人は2023年、野澤被告に五十嵐被告の治療費を支払せようと脅しますが、このとき野澤被告は千枚通しで2人の胸や背中などを刺したとして殺人未遂の罪で起訴されました。 　野澤被告が中学校の教師だったとき、2人は教え子でした。野澤被告は五十嵐被告の生活指導の担当でもありました。

五十嵐被告と小田桐被告

　検察側は、五十嵐被告が中学3年から高校1年まで野澤被告に性的な関係を持たれ、フラッシュバックなどがあり、犯行当時の預金残高が2680円と金に困っていたことから小田桐被告と共謀し、恐喝したと指摘しました。 　法廷で五十嵐被告は… 　「野澤先生に自分がつらいことを分かってもらいたかった。ひどいことをしたと思っています」 　一方で五十嵐被告は「高校時代、野澤先生は足だった」と話し、自宅から高校まで車で送らせていたことなどが明らかにされました。

五十嵐被告きは共犯の小田桐被告について「巻き込んでしまった」

　また共犯の小田桐被告については…。 　「梨沙ちゃんも巻き込んでしまいました。梨沙ちゃんは妹のような存在」 　検察は「フラッシュバックが要因とは認められない。金に困った挙げ句、小田桐被告を巻き込んだ責任は重い」として五十嵐被告に懲役3年、小田桐被告には「自らも積極的だった」として懲役2年を求刑しました。 　弁護側は執行猶予付きの判決を求めました。 　判決は2月16日に言い渡されます。