Xで「住所特定屋」名乗り 警察共済組合の元職員、個人情報の漏洩販売認める 千葉地裁初公判
警察共済組合本部(東京)の勤務で得た個人情報をSNSで販売し、漏洩(えい)したとして、地方公務員等共済組合法違反の罪に問われた元職員、富川泰興被告(31)=懲戒免職=の初公判が29日、千葉地裁(西沢恵理裁判官)であった。今回は起訴されたうちの15人分の漏洩について問われ、被告は起訴内容を認めた。 検察側の冒頭陳述によると、被告は妻の育児休業で収入が減り、生活水準を落としたくないと考えた。SNSのX(旧ツイッター)のアカウントを開設し、業務で扱っていた年金関係システムを不正利用して住所など個人情報の販売を始めた。 被告が開設したXのアカウントは「ぬんちゃん~住所特定屋さん~」。開設したとみられるアカウントは現在、非公開になっているが、2021年6月の開設となっている。プロフィル欄には「正確性には誰にも負けない自信があります」と記載され、X上には被告に住所特定の依頼をしたと思われる投稿も確認できた。 公判では個人情報を漏洩された人の被害も明らかになった。検察側によると、愛知県内に住む3人はレターパックで覚醒剤が送られてきて、警察に相談した。この捜査の過程で個人情報の入手を依頼したとみられる人物が判明。依頼者が情報の代金支払いに使用していた電子マネーPayPayの送金履歴などから、被告が浮上した。 起訴状によると、昨年6月~今年5月、被告は個人情報を有料で教えるとXに書き込み、組合本部の勤務で得た計79人分の住所などの個人情報を31人に漏洩したとされる。公判で検察側は追起訴する方針を示した。