最新研究で判明!「お酒を飲まなくても肝臓がんになる」…30歳以上の世代に忍び寄る”新たな肝臓病”の存在
受診の目安
つまりウイルスにも飲酒にも関係しない肝臓病が増えている(今後増える)というのです。その増加を食い止め、国民の健康を守るために、ALTが30を超えたひとは「かかりつけ医に診てもらいましょう」というのが、日本肝臓学会の奈良宣言の趣旨です。 ちなみに男性でALTが31以上のひとは、40代から50代で30パーセント以上、60歳以上でも20パーセントを超えています。ですから31以上で受診が必要となると、患者数は一気に増えることが期待できるわけです。 もちろん、それは意地悪な見方です。あくまでも我々の健康のためです。お医者さんたちは、我々の健康のために、日夜心を砕いているのです。そんな日本肝臓学会の趣旨に賛同するひとは、もし健診でALTが31以上だったら、ぜひとも内科や、とくに肝臓専門医を受診してみてください。 『50歳以上の男性の5%は”ヤバい”糖尿病にかかっている…あなたは大丈夫? 健診票の尿検査を「正しく」読む方法』へ続く
永田 宏(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授)