検診会場の設営を手伝われる秋篠宮妃紀子さま＝珠洲市健康増進センター

　秋篠宮妃紀子さまは15日、総裁を務める結核予防会の活動を視察するため、能登半島地震で被災した珠洲市を訪問された。市健康増進センターでは、結核予防会の石川県支部が市の委託を受けて実施した健康診断の様子を見て回り、会場の設営を手伝われる場面も見られた。 　紀子さまは金沢を出発して午前8時にセンターに入り、検診車が到着すると「できることは何でも手伝います」と話し、車から椅子を降ろすなどの作業を手伝った。検診に来た市民には「いらしてくださりありがとうございます」「健康でお過ごしください」と声をかけた。 　泉谷満寿裕市長やセンターの三上豊子所長から被災当時の状況や健康福祉対策などの説明を受け、8月までセンターで被災者向けの弁当を調理していた飲食店経営者らとも懇談した。 　紀子さまは、飲食店経営の坂本信子さん（55）には「どのように献立を考えましたか」と尋ねた。店が営業休止中であることを知ると、「頑張って再開できるといいですね」と話したという。 　坂本さんは「本当に素敵な方だった。能登に深い関心を寄せて下さり、ありがたかった」と喜んだ。泉谷市長は「被災者へのお気遣い、心からのお見舞いをいただいた」と語った。 　紀子さまは坂本さんの店舗で海鮮丼を味わい、珠洲焼の窯を視察した。坂本さんら4人が合同で経営する仮設店舗もサプライズで訪問した。