「子どもがインフルなのに態度が横柄」患者が全く来ていない時期なのに...クチコミが医療機関も翻弄「無駄な検査や投薬が増える...」全国の医師などがグーグルに損害賠償を求め裁判へ
この投稿主がつけた病院の評価は5段階評価で星1つ。掲載されているのは「グーグルマップ」のページです。グーグルマップには、地図上に表示される施設などのクチコミを書き込んだり、5段階評価を付けたりできる機能があります。このクチコミ機能について街で聞いてみると…? (街の人)「先生がこういう感じの人やとか、ナースの人がこういう人やったっていうのを見て、良さそうかな行こかなみたいな」 (街の人)「点数を見てからコメントを見ます。でも病院は基本的に低いんで。クレームだらけですよ」 実際に結城医師によると、インフルエンザの患者が全く来ていなかった時期に「子どもがインフルエンザなのに態度が横柄だった」などとする身に覚えの無い内容を書き込まれたこともあったといいます。さらに…。 (結城院長)「(不本意な書き込みが)結構ありますね。例えば、風邪でかかられた患者さんが、抗生物質とか強い薬がほしいと言って来られることがあるんです。医学的に耐性菌の問題からよくないことなので『効かないから抗生物質は出せません』とお断りしているんです。中には納得されなくて『私だけ弱い薬で適当にあしらわれた』と思って、ここの病院は思うような治療をしてくれない、よその病院の方がいい、という感じで星1点をつけて悪いクチコミを書くとか、そういうのがうちでは一番多いですね」
こうした書き込みに対してグーグルは、サイト内でクチコミを24時間体制で確認して、意図的な虚偽情報の投稿や中傷するような表現の使用など、ポリシーに違反するものは削除するなどの厳しい対応を取るとしています。 しかし、結城院長がグーグルに対して事実と異なる内容だなどとして削除依頼をしても、返事は無かったといいます。
医師・歯科医ら約70人がGoogleに損害賠償求める裁判へ
グーグルはJNNの取材に対して「不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めてまいります」としていますが、結城院長と同様に不当なクチコミに頭を抱える全国の医師・歯科医ら約70人は、4月18日にグーグルに対して損害賠償を求める裁判を起こします。 結城院長は、医療機関を評価するのは専門家でも難しく、今のままではクチコミの評価を鵜呑みにすることは患者にとっても不利益になると話します。 (結城院長)「医療機関を評価するということに関しては、無駄な検査が増えたり投薬が増えたりすることで医療費が上がったりとか、将来世代にツケをまわしていくことになります。医療機関は少なくともクチコミ対象から外すとか、評価を載せるか載せないかを医療機関が選択できるとか、そういうオプションを最低限つけてもらわないと。点数は医学的な正しさを保証するものではない、ということを皆さんが理解しているのであればいいのかなと」