首相、松野官房長官交代を検討 裏金疑惑、政権に打撃
岸田文雄首相は、自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーの裏金疑惑を巡り、松野博一官房長官を交代させる方向で検討に入った。政権関係者が9日、明らかにした。官房長官が交代すれば異例。松野氏は派閥事務総長を2021年10月まで約2年間務めた。販売ノルマを超えた売り上げから最近5年間で計1千万円超のキックバック(還流)を受け、政治資金収支報告書に記載しなかったとされる。官房長官は内閣の要で、首相への打撃となる。 首相は東京地検特捜部の捜査の行方を見極め、時期を含め最終判断する。与党内で辞任論が広がる中、捜査の状況次第では、続投が難しくなるとの考えに傾きつつあるとみられる。 松野氏は8日の午前、午後の記者会見で計30回を超える質問を受けたが、安倍派の裏金疑惑には「派閥で事実確認している最中だ」と述べるにとどめた。衆参両院の予算委員会で「私の政治団体についても精査し、適切に対応したい」と繰り返した。