【漫画】継母からの虐待と王殺しの宿命に囚われた王女とヤンデレ王が織りなす愛に「主人公、強く生きろ」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、不遇な王女がひょんなことから隣国の王子に溺愛されるファンタジーラブ『冷酷王は初恋に狂う』をピックアップ。 【漫画】“運命のあざ”を背負う王女が冷酷な王に愛される理由に「健全ではないがソレがいい!」の声 作者の只野もちたさんが7月19日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、2.7万以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、只野もちたさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。 ■王女ソフィアに降りかかる宿命 幼いころ、ソフィアは一人の少年に「大きくなったら迎えに行くから待っていてほしい」と告げられ、その言葉を心の奥にしまっていた。しかし成長したソフィアは、王女でありながら継母から身体的な虐待を受け続けていた。継母はソフィアを心から憎んでおり、王の慈悲によって生かされている彼女の存在を疎ましく感じていた。隣国の王への挨拶すら許されず、ソフィアは「王殺しの信託」を背負わされたまま、朽ちた塔に幽閉されて生きる日々を送っていた。 ソフィアの腕には「王殺し」を意味する忌まわしいあざがあり、そのあざは彼女が生まれたときから存在していた。18年前、実父であるノア王のそばにいた王妃は出産後に命を落とし、ソフィアはその遺された子供として塔の中で育てられた。国としては形式上、王女として存在を知られているが、外聞を気にする宮廷はソフィアを条件付きで外に出すことしか許さなかった。「このあざさえなければ…」ソフィアは何度もそう思いながら日々を過ごしている。 義理の弟であるエルヒスだけが、いつもソフィアに優しく接し、彼女にとって唯一の救いであった。エルヒスが将来王位を継ぐときに、彼の負担にならないようにとソフィアは心から願っていた。 そんな中、ソフィアは隣国の王であるレナード・ヴァロワ国王と対面する機会を得る。彼の赤い瞳はこの国では珍しく、その姿が強く印象に残った。そしてある日、ソフィアはレナード王が即位して早々に自分に会いたがっているという話を耳にする。継母はソフィアへの婚約の申し出を恐れており、もし隣国の人間と結婚すれば、軍勢と共にソフィアが実父であるノア王を討つのではないかと危惧していたのだ。 あるとき、ソフィアは怪しい男から命を狙われーー。 物語を読んだ人たちからは「継母に虐げられ、義弟の執着っぽさも気味悪い…」「主人公、強く生きろ」「健全ではないがソレがいい!」「ヒロインの精神状態が心配です」など、反響の声が寄せられている。 ■ ――『冷酷王は初恋に狂う』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。 創作のきっかけは、担当さんから「ヤンデレ作品を作ろう」とお声がけいただいたことです。シンデレラストーリーをベースにしたヤンデレが前提だったため、最初はどんなヤンデレにするかで悩みました。 当初はバッドエンドばかり思い浮かんでいましたが、ヒロインのソフィアの幸せを考えながら生まれた物語が『冷酷王は初恋に狂う』です。 ――キャラクターはどのように生み出されたのか教えてください。 とにかく肩幅があり、体が大きい男性キャラクターが好きなので、本作品も「とにかく大きい男を描きたい!」という願望を詰め込みました。ですので、本作品の男性キャラクターはみんな体が大きいです(笑)。 ヒーローのレナードは「ヤンデレだけど、相手の嫌がることはしない」という方針を徹底した結果、ヒロインのソフィアの敵には冷徹で残酷な番犬セコムになりました。ソフィアの前では可愛いわんこ系ですが、敵には容赦ない狼のようなイメージです。 義弟のエルヒスは元々「ざまぁ要員」だったのですが、個人的にはライバルとして登場させたいという気持ちが強かったため、結果的にクソデカ感情を拗らせたヤンデレ男として登場させることになりました。 私の考えるヤンデレ男は、過去に何かしらの出来事があり、拗らせてメンタルが不安定なタイプが多いので、そんな彼らを救えるヒロインにしたいと考えたのがソフィアです。 ――作画の際にこだわっている点や「ここを見てほしい」というポイントがあれば、理由と共にお教えください。 とにかく大きくて防御力が高そうな男性キャラを意識して作画しています。ぜひ、その部分に注目していただけたら嬉しいです。たまに肩幅を大きくしすぎちゃうこともありますが、そこは温かい目で見ていただけると嬉しいです(笑) ――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 思い入れのあるシーンは多くあるのですが、ピックアップしたいのは2つです。 ひとつは、第2話のラストでレナードが敵を容赦なく倒した後、ソフィアに笑いかけるシーンです。ヒロインのソフィア以外には容赦がないことがよく分かる場面かと思います。一見、血生臭く残酷な絵面ですが、ソフィアへの愛がはっきりと見えるシーンになっています。 もうひとつは、第4話のラストで義弟エルヒスのシーンです。第3話から第4話にかけて、エルヒスがこれまで隠していたドロドロとした感情が露呈しますが、最終的には「義姉が自分から離れていく」という溜めていた不安や、「自分は義姉とは幸せになれない」という事実に感情が爆発する、切ないシーンだと個人的に思っています。普段泣かない男が、「どうしようもない事実」に涙を流すのが、たまらなく好きです。 ――一から世界観を創り上げ物語を展開していくうえでこだわっている点や特に意識している点を教えてください。 ヤンデレがヒロインを好きになるきっかけは、大切にしたいと考えています。ぱっと一目惚れする展開も良いのですが、そうすると「ビジュアルだけでヒロインが好きなのか?それならソフィアじゃなくてもいいのでは?」という疑問が生まれないように意識しています。 また、物語の真相をすべて明かさないように展開することを心がけています。すべてが分かった上で読むのは、読者目線では面白さが半減してしまうと考えているため、今のところレナードとソフィアの過去は明かされていません。断片的に示される程度で、「何かあったんだろうな」という程度に留めています。 今後も新キャラが登場していきますが、様々なタイプのヤンデレを、過程を大事にしながら読者の皆様にお届けできたら嬉しいです。 ――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします! まだまだ拙く、至らない点もありますが、本作品が少しでもヤンデレだらけの世界観を楽しんでいただけたら幸いです! 今後も自分の性癖をたくさん詰め込んだ、まるで爆弾のような作品にしていけたらいいなと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします!