北海道の地で「負の連鎖」を断ち切った巨人・阿部監督

　巨人が14日の日本ハム戦（エスコン）に7―2で快勝し、連敗を6でストップ。投打がかみ合い、久々の勝利を呼び込んだ。 【写真】日本ハム・新庄監督とのメンバー交換に、笑顔で臨む巨人・阿部監督 　2回に坂本の50日ぶりの一発となる4号ソロで先制すると、3回にも相手の適時失策と萩尾の適時打で2点を追加。5回には吉川の2号3ランが飛び出し、リードを一気に拡大した。投げては先発のエース・戸郷が9回2失点と貫禄の投球で日本ハム打線を圧倒。6日のロッテ戦（東京ドーム）以来、約1週間ぶりの白星を飾った。 　待望の勝利に阿部慎之助監督（45）は「勝つってうれしいね」と喜びを爆発。連敗中の試合前には選手たちに対し「初心を忘れず自己犠牲だったりを、もう1回改めて徹底しよう。みんなで連敗止めてすすきのに飲みに行っちゃおう」と〝阿部節〟で鼓舞したことも笑顔で明かした。 　チームが暗雲を断ち切れない日々にさいなまれる中でも、指揮官は一切の動揺を見せなかった。この日の試合前練習では選手たちが練習を始める前に自らバットを持ってグラウンドに姿を現すと、おもむろにフリー打撃を開始。時折行っているとはいえ、この日はスタートから3本連続で柵越えとなる〝豪快アーチ〟を披露し、周囲を驚かせていた。 　チーム関係者からも「あれが阿部監督にとってもいい気分転換になったのではないか。普通はこういう状況だとカリカリしちゃうものだけど、いつも通りの自然体を保っている。そこは強みですよね」と称賛の声が聞こえれば、日本ハム関係者からも「いまだに柵越えを打てるって普通にすごい。それを選手たちに見せつけるんだから、さすがですよ」と驚嘆の声が漏れていた。 　自らのスイングで文字通りの〝露払い〟に成功し、勝利を手繰り寄せた阿部監督。ここから勢いを取り戻し、交流戦最終カードで有終の美を飾ることはできるか。