京都で「銀河鉄道999展」が開幕、鉄道博物館ならではのダイナミックな展示揃い
■ 本邦初公開を含めた約200点を展示
2023年に逝去した漫画家・松本零士の名作『銀河鉄道999』をテーマにした特別企画が「京都鉄道博物館」(京都市下京区)で開催中。999号を再現した蒸気機関車や、登場人物たちと旅する気持ちになれる乗車体験など、鉄道博物館だからこそ可能な企画がそろっている。 【写真】一般展示としては初公開、松本零士のお別れ会で作成された機関室 1977年に漫画連載が始まり、1978年には早くもアニメ化された『銀河鉄道999』。星野鉄郎と謎の美女・メーテルが、機械の体が手に入る星を目指して、宇宙空間を走る列車で旅をするというロマンあふれる設定で、当時の子どもたちを夢中にさせた作品だ。今回は、アニメ作品を手掛けた「東映アニメーション」の協力で、本邦初公開を含めた約200点の資料を展示している。 まず博物館の入口では、999号のヘッドマークをつけた蒸気機関車・C62形26号機がお出迎え。側面まで装飾を再現しただけでなく、車両記号もアニメにあわせて「C62 50」に変更するという細かさだ。展示室ではアニメのスチールや設定資料などに加え、フォトスポットとして鉄郎やメーテルが座っていた999号の車窓や、松本零士のお別れ会で作成された機関室(一般展示としては初公開)が設置されている。 また、本物の蒸気機関車が客車をけん引する「SLスチーム号」では、乗車券の販売案内や車内放送で、鉄郎役の野沢雅子と、メーテル役の池田昌子が新たに録音した音声を採用。特に車内放送では、2人と同じ列車に乗っているような気分をちょっぴり味わえるはず。 また2階のレストランでは、鉄郎の好物であるラーメンを販売。しかも作品中の「生卵を追加で」という鉄郎のセリフを反映して、生卵を付けたというこだわりようだ。
「999号と同じC62形の蒸気機関車を、3両も持っているのは当館だけなので、ここでしかできない内容になりました。アニメを見ていた40代後半~50代を想定していますが、子どもたちにも興味を持ってもらい、アニメも見てもらえたら」と、999のファンで、今回の企画にも深く関わった博物館係長・北野高宏さん。アニメを見ていた世代は懐かしく、知らない世代も「こんなおもしろそうな作品があったのか!」とワクワクできることは必至だ。 『銀河鉄道999展』の開催期間は2024年2月4日まで。1月11日からは、鉄郎やメーテルの衣裳を着用して写真を撮ってもらえる「なりきり衣装体験」も開始する。入館料は一般1500円ほか。展示室の入場は無料だが、SLスチーム号乗車は大人300円、子ども(3歳~中学生)100円が別途必要。開館時間は10時~17時(入館は16時半まで)。休館日は、現在冬休み&年末年始のため、通常とはサイクルが異なっているので、公式サイトでご確認を。 (C)松本零士/零時社・東映アニメーション 取材・文・写真/吉永美和子