初代義光の魅力知って 神輿4基と山車装飾展示 館山(千葉県)
安房を代表する宮彫師の初代・後藤義光「後藤利兵衛橘義光」(1815~1902)が手掛けた、館山市内の神輿、山車の彫刻作品の展示会が、同市の「渚の駅たてやま」ギャラリーで行われている。4基の神輿が本体ごと、山車は取り外した彫刻作品などを展示。迫力ある作品が来場者らを魅了している。5月12日まで。 現在の南房総市千倉町北朝夷に生まれた後藤利兵衛橘義光。江戸で修業を積み、房州に戻って神社仏閣はじめ、山車、神輿などに躍動感あふれる作品を数多く残している。 展示会は、義光作品の素晴らしさを広く知ってもらおうと活動する「後藤利兵衛橘義光の作品を伝承する会」(加藤守雄会長)が、関係する区や町内会、神社などの協力を得て開催。 会場では▽山宮神社(長田区)▽熊野神社(長須賀区)▽日枝神社(青柳区)▽神明神社(上真倉区)――の神輿を展示。彫刻の題材となった物語の解説文なども添えている。その他、蛭子神社(南町町内会)、神明神社(大塚区)の山車の彫刻作品や写真なども展示されている。 龍や獅子、力士などの躍動感あふれる作品を間近に見ることができ、栃木県野木町から家族旅行で訪れていた30代の会社員男性は「神輿はどれもきれいで、彫刻は迫力がありますね。神輿の彫刻を近くで見る機会がないので、じっくり見ることができていいですね」と話していた。 同会では来年5月5日に、初代義光が作品を手掛けた神輿、山車のある市内各区、町内会に参加を呼び掛け、同市の鶴谷八幡宮で義光の生誕210年祭も予定しており、加藤会長は「展示を通して、義光の作品の魅力を多くの人に知ってもらいたい。来年の生誕210年祭の盛り上がりにつなげることもできれば」と来場を呼び掛けている。