65歳以上の年金生活者にも「年収の壁」がある!?「住民税」が非課税になるって本当? 75歳以上への影響も解説
パートやアルバイトで働いている人が気になる「年収の壁」は、実は65歳以上の高齢者にもあることをご存知でしょうか? 本記事では、65歳以上の「年収の壁」はいくらなのか、75歳以上にも影響があるのかを試算をまじえて解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
65歳からの「年収の壁」とは?
65歳からの「年収の壁」とは、住民税が非課税となるボーダーラインを指します。収入が年金のみの場合、単身者の場合は約148万円~155万円程度、夫婦2人世帯だと約193万円~211万円程度で、条件を満たせば住民税が非課税となります。 住民税が非課税となる収入の目安は住んでいる地域によって異なり、級地区分で大きく3つに分けられています。夫婦世帯の場合、大都市圏(東京都など)では年収211万円の壁、中核都市では年収202万円の壁、それ以外では年収約193万円が目安となります。
夫婦世帯の収入の壁で、収入金額が違うのはなぜ?
住民税が非課税になる条件は、昨年1月から12月末までの合計所得金額が一定金額以下であることです。例えば、東京都では世帯主の総所得金額が(世帯主+配偶者+扶養親族の合計人数)×35万円+31万円以下だと住民税非課税になります。 夫婦世帯の場合、夫婦それぞれの所得が少ない場合に住民税が非課税になります。 例えば、世帯主の年金収入が211万円以下で配偶者の所得が少ないと、夫婦とも住民税は非課税となりますが、世帯主の年金収入が211万円以下であっても配偶者の所得が多いと夫婦それぞれに住民税が課税されます(世帯主と配偶者の所得が逆の場合でも同じです)。 配偶者が住民税非課税または扶養に入る目安としては年間所得が年間48万円以下で、配偶者の年齢によっても変わります。配偶者の収入が年金だけの場合は、年齢によって控除される金額も変わります。65歳以下の場合は公的年金控除60万円(年金収入108万円以下)で、65歳以上の場合は公的年金控除110万円(年金収入158万円以下)です。
年金生活者の年収の壁は、超えないほうが良いですか?
年収の壁を超えず、住民税非課税世帯になると、住民税のほかにもメリットが出てきます。 主なメリットとしては、「医療費での自己負担上限額が低い」「非課税世帯向け給付金が支給されることもある」などが挙げられます。国民健康保険料の軽減率は、所得に応じて2割から7割軽減が設定されており、住民税非課税世帯では国民健康保険料のうち均等割額と平等割額が7割軽減されます