Netflix「イカゲーム2」イ・ジョンジェ“様々な反応があってむしろ良かった”【ネタバレあり】
※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。 Netflix「イカゲーム」シーズン2がついに公開された。92ヶ国で1位を獲得し、再び世界中にイカゲームシンドロームを巻き起こしている中、その話題の中心に主人公のイ・ジョンジェがいる。彼は新しい顔ぶれで新たなスタートを切ったシーズン2をリードし、再び全世界の人々を残酷なゲームに引き込んだ。深みを増した眼差しと強烈な存在感で、全世界の視聴者の心を再び魅了したイ・ジョンジェに会った。 ―― シーズン2が公開され、清々しい気分ではないでしょうか? イ・ジョンジェ:いいえ(笑)。いろいろな反応があったので。シーズン3をもっと良い作品にするために努力しなければならないと思っています。 ―― 一番印象に残っている反応は何ですか? イ・ジョンジェ:酷評です(笑)。今回で全てが終わるのであれば、このような声が残念だったと思いますが、シーズン3が残っています。中間評価を受けた気分で、むしろ良かったと思いました。 ―― シーズン2の公開と同時に、全世界で1位を記録しています。 イ・ジョンジェ:まだ実感が湧きません。シーズン1の時も「どうしてこんなことが起こるんだろう」と思いましたが、いまだに慣れません。シーズン1の時は大々的にPRはしなかったのですが、シーズン2は各国のランドマークで大規模なイベント形式で行われました。このようなプロモーションのスケールに驚いています。韓国のコンテンツにこれだけの費用を投じてくれたNetflixにも感謝しています。シーズン3をもっと頑張らなければならないと思っています。 ―― コン・ユさんの存在感が、短いけれど強烈なものでした。共演はいかがでしたか? イ・ジョンジェ:コン・ユさんが非常に印象的な演技をしてくれました。これまで演じてきたキャラクターでは見られなかった新しい一面を「イカゲーム」で見せてくれたので、一緒に撮影しながらも驚きました。(コン・ユの演技を)視聴者が好評していますが、予想していた反応です。現場でもすごく強烈でしたから。 ―― シーズン2では、ギフンの晴れやかな姿が見られなかったのが残念でした。 イ・ジョンジェ:そこはすごく悩んだところです。以前の明るい姿をシーズン2と3でも見せたかったのですが、一方ではギフンが以前の姿には戻れないと思うと、かわいそうでした。果たしてギフンが目的を達成したら、本来のソン・ギフンに戻れるのかという疑問があります。ソン・ギフンは、僕が演じたキャラクターの中で最もかわいそうなキャラクターではないかと思います。 ―― ソン・ギフンのリーダーシップにもどかしさを感じるという反応もありますが、これについてはどのようにお考えですか? イ・ジョンジェ:ソン・ギフンは一人でも多くの人を救うために、ゲームの中に戻りました。しかし、そのゲームは人を殺す目的で作られたので、ギフンの人を助けようとする行動を妨害するしかない構造になっています。自身の目的を果たせないので、ギフンは挫折し続けます。失敗を繰り返し、どん底まで落ちてしまうのがシーズン2です。どん底まで落ちたソン・ギフンが、シーズン3ではどのような行動をするのか、そこが大きな見どころになると思います。 ―― シーズン1でオ・イルナム(オ・ヨンス)を経験しているのに、シーズン2でオ・ヨンイルに気づかず、簡単に信じてしまう部分には矛盾を感じるという反応もあります。 イ・ジョンジェ:ドラマの面白さのため、その程度のことは主人公が知らなくてもいいのではないでしょうか(笑)。ギフンの性格がよく現れる部分だと思っています。 ―― シーズン2で再びゲームのセットに入った時の心境はいかがでしたか? イ・ジョンジェ:緑のジャージを着てセットに入った時、すぐにドアを開けられませんでした。この中に入ったら、シーズン1の時の地獄のような状況を再び演じなければならないということをプレッシャーに感じました。シーズン1を撮影した時、最初はベッドが456個あったのですが、1年ほど経ってベッドは3つしか残らず、出演者も3人しかいませんでした。その時、ようやくセットの床が見えました。床には死者の痕跡と血でできた染みがたくさんありました。その痕跡がずっと強く残っていて、その床をもう一度見なければならないと思うと苦しくなったので、最初に(シーズン2のゲーム場に)入る時、ドアノブを掴んで数秒間ためらいました。 ―― シーズン2のキャスティングをめぐって様々なイシューがありましたが、主人公として、このようなスタートにプレッシャーは感じませんでしたか? イ・ジョンジェ:キャスティングはファン・ドンヒョク監督が悩んだ上で決めたことなので、心配はありませんでした。「何か意図を持ってキャスティングされたのだろう」と思いました。シーンを撮影する度に、監督が意図した演出で感情を引き上げてくれるだろうという信頼がありました。シーズン1の時も非常に細かい部分までディレクションをして下さって、会話もたくさんしていましたので、それに対する信頼がありました。 ―― ファン・ドンヒョク監督とはシーズン3まで一緒に撮影していますが、長い間息を合わせてきただけに、お互いの存在を大きく感じているのではないでしょうか。 イ・ジョンジェ:「イカゲーム」という作品が特別なだけに、関係も特別なものになるしかありません。長く仕事をすればするほど、「この人は本当に天才だな」と思いました。本当に様々な分野に精通していて、そしてその豊富な知識を優しい視線で見ようとする心があるんです。人間そのものが本当に優しいです。善良なキャラクターが嘲笑され、踏みにじられるような状況でも、最終的には立ち上がって、また踏みにじった人たちの後悔を描くところから善意を感じました。そういった部分が僕にとっては特別でした。グローバルコンテンツとして成功するのもいいですが、血の流れるシーンが多い中で、最終的には人間の善良さを語ろうとするメッセージを、多くの方々に知ってほしいです。 ―― 5人6脚のゲームシーンの撮影中、面白かったエピソードがあれば教えてください。 イ・ジョンジェ:子供の頃、チェギチャギ(羽子を地面に落とさず足で蹴り上げる韓国の伝統的な遊び)をする時は、10個くらいは蹴ることができたはずですが、数十年ぶりにやってみたら、2つもできなかったんです(笑)。5個蹴るために2ヶ月間練習しました。骨盤が痛くなって、「ここまで練習しなければならないのか?」とも思いましたが、それでも代役は使いませんでした。 ―― 「イカゲーム」シーズン2の公開と会社の合併まで控えている時期に、チョン・ウソンさんの私生活問題が報じられました。会社を一緒に引っ張っていく立場として、心配が大きかったと思いますが、いかがですか? イ・ジョンジェ:会社に専門の経営陣がたくさん入ってきました。会社を運営する上で、以前のようにチョン・ウソン&イ・ジョンジェの2人だけで引っ張っていく状況ではなく、本当に良かったと思っています。プロの経営者のサポートをたくさん受けています。チョン・ウソンさんのニュースは、僕も知らなかった話です。それはプライベートですから。ウソンさんがきちんと判断してやっていくと思っています。もちろん悪い人ではないので、良い方向に本人が考えてうまくやっていくと僕は信じています。 ―― 国民の力のハン・ドンフン前代表との会合をめぐって様々な疑惑が出ていますが、これについてコメントしたいことはありますか? イ・ジョンジェ:当然、有名人同士が会ったことに対して「なぜ会ったんだろう」という疑問はあると思います。しかし、高校の同級生として1回夕食を食べたこと以外は、特に僕がハン・ドンフンさんの仕事を手伝ったとか、応援の言葉を伝えたことはありません。ただ純粋に、同級生同士で食事をしただけです。あの有名な写真は、僕たちがご飯を食べて出てきた時に、(レストランで)キムチをくださって、ありがたくいただきました。それでそれを持って写真を1枚撮ろうと言われ、僕のカメラで写真を撮ったんです。その頃にはすでにハン・ドンフンさんのファンがいたようです。僕たちは知らなかったのですが、ファンがレストランの従業員の横で写真を撮り、その写真がブログにアップされ、それが公開されたのです。「自分のカメラで撮ったのに、どうして写真が公開されたんだろう」と思って調べたところ、そのブログに(写真が)あったのです。僕たちが出会いをアピールしたわけではありません。僕たちがその写真を公開したわけではないので、その誤解を解きたいと思いました。 ―― ユン・サンヒョン議員が一緒にお酒を飲んだと親交をアピールしたこともありました。 イ・ジョンジェ:彼がなぜそのように話したのか、よく理解できません。僕の記憶では1度だけでした。30~40人のエンタメ事業の関係者が集まった席で、映画、ドラマ、アルバム関係の方々もいらっしゃいました。その議員の方とチョン・ウソンさんと僕が特別に会ったわけでもなかったですし、それほどお酒を飲むような場でもありませんでした。なぜそのように言われたのかよく分かりません。 ―― 作品が大きな関心を集めているだけに、制作費や出演料などに対する様々な噂もありますが、それについて伝えたいことはありますか? イ・ジョンジェ:僕は制作費がいくらかかったのかについては知りません。僕の出演料をめぐる噂があるようですが、グローバルプロジェクトについては、アメリカのエージェンシーであるCAAと話しています。僕がCAAに要求したことは一つだけです。僕は関係を一番大事に考える人間です。僕とNetflixの関係において、契約によって誤解や不満が生まれないようにしてほしいということでした。できるだけ穏便にやってほしいという話をしました。悪い前例を作りたくなかったですし、「ちょっと成功したからって、いい気になっている」と言われたくなかったんです。そのためCAAには、お互いに不満がないように契約してほしいと、それだけは言っておきました。 ―― 2025年の計画をお聞かせください。 イ・ジョンジェ:今年は、まずシーズン3のスケジュールを待っています。プロモーションの機会がとても多くて、4ヶ月前から始め、月に2週間くらいはまた海外に行かなければなりません。シーズン3の公開日が決まってから、僕も正確なスケジュールを立てられると思います。
ファン・ヨンド