ミズカさん

　高松・歯ART（ハート）美術館（高松市庵治町）で現在、香川県在住の芸術家・ミズカさんによる作品展「初音（はつね）」が開催されている。（高松経済新聞） 【写真】会場 　性別のない幼児をモチーフにした「ぼうや」シリーズと、草木で染めた紙をすき、偶然できた形から動物を描く「紙漉（す）き」シリーズを制作してきたミズカさん。今回は両シリーズの作品のほか、京都造形芸術大学時代の卒業制作作品、「ぼうや」をモチーフにしたウォールアートや標本のような作品なども展示する。 　今回の展示について、ミズカさんは「今回の展示は『ぼうや』に込めた意味を伝えるものにしたい。ぼうやは大人の心に残る子どもの心であり、口がなく座り込んでいる姿は子どものころ、親にしかられた時に言い返すことができなくて黙って座り込んでやり過ごしていた自分を投影したもの。壁の作品は、世界のあらゆるものがぼうやに侵食された『ぼうやに征服された世界』がテーマ。ここに来た人がぼうやを『摂取』して日常に帰ってからふとした時にぼうやを見いだしてもらいたいと思い描いた。今後も作品は描き足していく。ぼうやの世界をさらに広げたい」と話す。 　「展示のもう一つのテーマは過去・現在・未来。映像作品は過去、『ぼうや』『紙漉き』作品は現在、壁の作品や標本作品は未来の表現を表す。これまで作ってきた『ぼうや』や『紙漉き』などの作品は見る人に分かりやすいものである一方、迎合しているのではと感じることも多くなってきた。今後は抽象的な作品も制作したい」とも。 　開館時間は10時～17時。入館料は、大人＝600円、中高生＝200円、小学生以下無料。5月31日まで。 　5月4日は、絵の具やクレヨンなどでオリジナルのパズルを作る「ぼうやの思い出パズル」、5月5日は、粘土を使った「じぶんぼうやをつくろう！」などのワークショップを行う。開催時間は、10時30分、14時の2回。参加費は2,500円。事前申し込み制。インスタグラムのDMで受け付ける。