備後落合駅の看板 盗難か ガイド「思い出の品 返して」
JR芸備線の「秘境駅」として人気がある備後落合駅(広島県庄原市西城町)の駅舎入り口に掲げてあった駅名看板がなくなっている。看板は同駅ガイド永橋則夫さん(81)が活動を始めたばかりの2017年に取り付けた思い出の品で、「返してほしい」と訴える。 【写真】駅名看板の痕跡を指さす永橋さん 永橋さんによると、看板は縦約75センチ、横約15センチ。プラスチック板をアルミの枠で縁取り、白地に黒文字で「びんごおちあい」と記してある。私物だが、JR西日本に許可を取った上で駅舎入り口の柱に掲げていた。 紛失に気付いたのは1月下旬。永橋さんがガイドのため駅を訪れると、看板を固定する木製の台が地面に転がっていた。周辺を探しても見つからず「誰かが持ち去ったのだろう」と肩を落とす。 看板は永橋さんの友人が、国鉄民営化の時代に不要備品バザーで購入。永橋さんはガイドを始める際、ホームより安全な場所で写真撮影を楽しんでほしいと考え、買い取った。その後、JR西の職員が金属製留め具で補強してくれたという。 永橋さんは「駅を訪れる人たちのためにも、歴史を伝える看板が元の場所に戻れば」と強く願っている。
中国新聞社