クエンティン・タランティーノ監督が自身の引退作とされた映画『The Movie Critic』の製作を中止したとの報道
クエンティン・タランティーノ監督が、自身の引退作とされていた新作映画『The Movie Critic(原題)』の続行を断念したとDeadineが報じた。同作は、そのほか実現することのなかった数多くのアイデアのひとつとなり、代わりにタランティーノは、監督引退作となる映画を決めるための計画段階に戻ったと伝えられている。 Deadlineに続いてVarietyも同様の内容を報道。IGN USはタランティーノの代理人、およびソニー・ピクチャーズへコメントを求めている。 Deadlineは、タランティーノが「心変わり」の末に『The Movie Critic』の企画を中止したと伝えている。タランティーノによれば、この作品は実在の映画批評家をモデルにした物語となるべく企図されたもので、この人物による批評は「(ラジオパーソナリティの)ハワード・スターンと(『タクシードライバー』主人公の)トラヴィス・ビックルがもしも映画批評家だったら」という人格をかけ合わせたような文章であったそうだ。なお今年2月にはブラッド・ピットの出演も報じられていた。 映画の脚本は2023年までにさまざまな書き直しが行われ、それにより製作に遅れが生じたと伝えられている。だがここへきて突然、タランティーノは方向転換を決めたようだ。とはいえ、R指定版の「スター・トレック」や「キル・ビル」第3作など、タランティーノが周囲に喧伝しながら取りやめにした企画は過去にもあり、今回が初めてではない。 また、『ヘイトフル・エイト』の前例があるように、タランティーノがいったん中止とした企画に立ち返る可能性もゼロではない。しかし現時点では、ほかのアイデアに移ろうとしているようだ。
Kat Bailey