カキ=ノロウイルスの “大誤解” 背景に「マスコミ報道」の影響も? 厚労省「正しい対策を」
ノロウイルス対策で「一番重要なこと」
繰り返しになるが、ノロウイルスの感染経路としてもっとも恐れるべきはカキではなく、食品を取り扱う人がウイルスに感染しており、そこから食品が汚染され広がるというケースだ。 「ノロウイルス対策で一番重要なのは、個人個人がしっかり手洗いをして、食品にウイルスをつけないようにすることです。しかしコロナ禍が落ち着いてきた今、以前より手洗いの回数が減ったという方は多いのではないでしょうか」(前出・厚労省担当者) 人との接触や外食の機会が減った影響も考慮する必要はあるが、厚労省が公表している食中毒の統計資料を見ると、たしかに2020~2022年のノロウイルス食中毒の事件数は、2019年以前より明らかに抑えられていることが分かる。 「感染者の絶対数が増えれば、意図せずにうつるということはどうしても起きてしまいます。絶対数が増えないよう1人ひとりがしっかり手洗いして対策すれば、そんなに恐れる必要もなくなってくるはずです」(前出・厚労省担当者) いたずらにカキを恐れるよりも、世の中全体で正しい感染対策を心がけ、海の恵みを楽しむほうが得策なのは明らかだろう。
弁護士JP編集部