理想の髪形、AIが提案 山形の美容室でスマホ、専用鏡使い新サービス
客が求める髪形のイメージを適切に把握し、雰囲気に合った仕上がりを提案しようと、山形市の美容室「ヘアウィズウォーター」は、人工知能(AI)が搭載された鏡とスマートフォンを使ったカウンセリングサービスを始めた。イメージの共有に画像を多く用いて「見える化」し、客と美容師が思い描く仕上がりの差を埋める。 美容室で客は言葉や画像で「なりたい自分」のイメージを伝え、美容師はそれをベースに、その後の会話や客の服装から好みを感じ取り、髪をカットするのが一般的なやりとりだ。双方の考えが“すれ違い”完成した髪形が客の想像と異なる場合もある。 高橋哲郎店長(43)は「初対面だと詳しく把握するのが難しく、常連客でも季節や生活環境の変化などで求める髪形は変わる」と対応の難しさを口にする。仕上がりが不満だと、次回から訪れないケースもあり、客を失うことにつながることが美容業界にとって悩みの種だった。 今回導入したサービスでは、客が専用のサイトにスマホでアクセスし、名前や年齢、髪に関する悩み、希望する長さなどを登録。さらに画面に表示されたファッションやライフスタイルに関する複数の画像から好みのものを選択すると、客が好きな世界観をAIが分析し、多数のお薦めの髪形を提案してくれる。
美容室にある専用の鏡とも連動し、鏡の前で提案された髪形と自分の顔を重ねることもできる。この鏡は美容・理容機器を扱うタカラベルモント(大阪市)のスマートデバイスミラー「ECILA(エシラ)」で、導入は県内初だという。 同美容室の松田治美社長(56)は「AIによる客観的な分析と、美容師の感性でできることを組み合わせ、よりいいものを提案していきたい」としている。