感染源不明者、行動を分析したら…… 小池知事が「夜の街」自粛要請した背景
新型コロナウイルスの厚生労働省クラスター対策班で国内の感染状況を分析する北海道大の西浦博教授は30日、東京都の小池百合子知事とともに記者会見し、都から提供を受けた前日(29日)までの感染患者データを基に分析したところ、「増加の兆候はあるが、爆発的増加ではない」と述べ、現時点ではオーバーシュート(感染者の爆発的な増加)に至っていないとの見解を示した。 【会見ノーカット】小池知事が緊急会見「“夜の街”控えて」感染疑い事例が多発
夜間早朝の接待飲食業で感染疑い事例が多発
小池知事はこの会見で夜間・早朝に営業しているカラオケや、ナイトクラブへ行くことを自粛するよう都民に要請した。なぜだろうか? 西浦教授は、これまで「感染源が分からない」とされていた患者について、行動を分析。その結果、「特に最近、『夜の街』、夜間から早朝にかけて(営業している)接待飲食業の場での感染者が東京都で多発していることが明らかになりつつある」のだという。それらの場で感染したことが疑われる人はこれまでに38人おり、「最近2週間の約30%がそれに相当する」と話した。 年齢分布は、20代6人、30代9人、40代13人、50代7人、70代3人。20代、30代は店員で、客は「比較的高齢」だという。調査に応じなかった患者も多く、「介入が一部困難であることが想像される一方、積極的に対策を講じなければならない数の伝播が始まっているものと考えられる」とも述べた。
パチンコや風俗店での疑い事例「今のところない」
今回の報告では接待飲食業という特定業種を中心にしたものだったが、西浦教授によると、たとえばパチンコ店や雀荘での感染が疑われる事例は、今のところ東京では報告されておらず、性風俗店も同様だとした。ただ他の都市では疑い事例がいくつか聞かれるという。