『水ダウ』話題のハニトラ女優は芸歴10年超の苦労人 100円を握りしめて耐えた「貧乏時代」
出演映画『初めての女』は転機の作品「撮影期間は性格がガラッと変わりました」
撮影テーマを決め、それに合った服装や髪型など自分の頭の中で台本を描き、2021年末ごろからコンスタントに投稿を続けた。その結果、TikTokフォロワー数は8万人近くまで増え、『水ダウ』スタッフの目にも留まったことが、出演の要因ともなった。今回の“バズリ”も地道に努力を重ね続けたがゆえのものだった。 たくさんの挫折も経験してきたが、そんな時に頭に思い浮かぶのは二人三脚で支えてくれた母の顔だ。「母子家庭で、お金が無いにもかかわらず、いろんなことを経験させてくれました。母にずっと背中を押してもらっていたので、『こんなとこでやめたら母に申し訳ない』と思いながら、何度でも立ち上がることができました。あまり褒めてもらうことはないのですが、今回の『水ダウ』ではちょっとだけ褒めてもらえたので、うれしかったです」。 6月22日からは出演映画『初めての女』の公開も控えている。同作では芸者を演じているが、三輪にとって大きな転機となった作品でもある。 「昔から芸者になりたいという夢もあったんです。日本舞踊や三味線もずっと習い続けていて、それを作品の中で披露することができました。今までの経験がむだにならずに作品に反映されるということがすごいうれしかったです。 実在していた人を演じたのですが、その方が私に乗り移ったかのような感覚になって、ご飯が食べられなかったり、スマホも触れなかったりといった日々を過ごしたんです。私はポジティブな性格なんですけど、真逆の役だったので、撮影期間は性格がガラッと変わりました。今まで演じてきて、こういう感覚になったのは初めてで、新しい経験でした」 同作は、19年に撮影を終えていたが、コロナ禍の影響で公開が延期に。5年越しにようやく公開へとこぎつけた。そんな転機の作品が、注目度が高まった時期での公開となったのもなにかの縁なのかもしれない。 “あざとさ”で話題を集めることとなったが、その素顔は「真面目で頑固」。俳優としてのブレない信念を持っている。 「私の芝居を見て、『元気になれた』とか『夢ができた』みたいに思ってもらいたいんです。誰かの人生を変えられるような演技をしたいです。有名になりたいとかではないのですが、そう思ってくれる人を増やすためにも、私の芝居を見てくれる人を増やしたいです」 これまでのひたむきな努力がようやく実を結ぼうとしている。眼前に捉えたブレイクの兆し。このチャンスをむだにすることなく今後もさらなる成長を誓う。 「役者としては本当にまだまだだと思っていますし、限界はないと思っています。芝居は生活の一部で、表現することで私は生きているんだと思っています。全ての経験が、芝居に活きてくると思うので、いろんな引き出しを見つけていきたいですし、これからも演技をずっと追求していきたいです」 □三輪晴香(みわ・はるか)1996年1月4日、滋賀県出身。中学生から演技レッスンに通い、高校1年生で初舞台を経験。以後、舞台を中心に経験を積み、ドラマや映画など幅広く活動する今注目の俳優。2024年6月22日には出演映画『初めての女』が公開される。
中村彰洋