「気づくのが遅かった…」FFファンが大絶賛!スーファミ名作『半熟英雄』に満ちた“FF愛”
■魅力的なエッグモンスターの数々
同シリーズの魅力を語るうえでやはり外せないのが、エッグモンスターたちだろう。シリーズで採用されているのは、自軍が卵からかえして召喚したモンスターに、敵軍がコマンドを選択して攻撃してくるというバトルスタイルで、巨大なボスに味方パーティが戦いを挑む『FF』を反転させたようなもの。 卵はおもに「スーパーエッグ」「ワンダーエッグ」「カラフルエッグ」「イビルエッグ」の4種類で、将軍ごとに持っている卵の種類が決まっているのも特徴だ。 登場するエッグモンスターが個性的で、「メデューサ」「サイクロプス」「レッドドラゴン」といったいかにも王道で強そうなモンスター(実際に強い)もいるのだが、やはりこの作品で忘れられないのは、パロディ系の印象的なエッグモンスターだ。何種類か挙げてみたい。 まずは「おーでーん」だ。おでんのコンニャクとちくわを背負ったタコのキャラクターで、必殺技は「ざんてつけん」と「グングニル」である。そう、『FF』の「オーディン」のパロディなのである。 そして、役立たずさが印象深かったのは「ウゴカザル」と「ゾンビ」である。ウゴカザルは名前のとおり、こっちが命令してもまったく動かないモンスターである。序盤にこっちの卵からけっこう出てきたりするので面倒くさい。ゾンビはパンチをすると体が崩れて自らがダメージを受けてしまい、ケアルを唱えて自滅するというとんでもないキャラクター。2体とも完全なハズレキャラだが、どこか憎めないのがエッグモンスターたちの魅力でもある。 終盤に登場する強力なエッグモンスターでも個性的なキャラがいる。なかでも特に異彩を放っているのが「ムーンマッスル」だ。三日月の顔に筋肉質の肉体を持っているというモンスターで、「ハッハッハ」と笑いながら肉体を誇示して敵を倒すという、めちゃくちゃシュールなキャラなのだが、めちゃくちゃ強くもある。このギャップがなんとも言えず好きである。 ムーンマッスルをはじめ、カラフルエッグからは名前のとおり、他にも色とりどりの個性的なキャラが数多く出てくるので、どんどん割ってみたくなってしまう。 同作には他にもたくさんの魅力があり、特にエッグモンスターは一体一体を詳しく語り尽くしたいほど。また、BGMの作曲は『ドラゴンクエスト』でおなじみのすぎやまこういちさんだ。しかもすぎやまさんは月1イベントで時々登場し、「ちょっと音楽でも聞いていきませんか?」とゲームのBGMを聞かせてくれる。狙って登場させることができないため、聞きたいときにはなかなか出てこないというのが玉にキズではあるが、タイトル曲やフィールド曲など名曲だらけの作品でもある。 気になった人はぜひプレイして『半熟英雄』の沼にハマってもらいたい。
ふたまん+編集部