<魂をこめて・和歌山東>第94回選抜高校野球 指導者紹介 米原寿秀監督/南佳詞部長/山根翔希コーチ /和歌山
◇社会の「レギュラー」育成 米原寿秀監督(47) 「社会で活躍できる『レギュラー』を育成すること」。選手を指導する上で「ひとづくり」を意識している。一人一人にチーム内での役割を与え、その一員である自覚を促す。 和歌山商で内野手として活躍した後、立正大では捕手や学生コーチを務めた。卒業後、一般企業で働きながら和歌山商でコーチを務め、教員免許を取得して2003年に監督に就任すると07年、母校を70年ぶりのセンバツ出場に導いた。 10年には和歌山東の監督となり、創部12年目で初の甲子園。「チームのために何をしなければならないか」。自覚をもって考える選手たちが、聖地で躍動する日は近い。 ◇「恥じぬ準備」に尽力 南佳詞部長(40) ノックを打ったり、時には打撃投手をしたりする一方、書類整理や報道対応なども担う。「選手たちが集中して野球に打ち込める環境を用意する」ことを旨に、部長としてスタッフとして、業務や指導に打ち込んでいる。 星林出身で、ポジションは外野手。2年の夏の選手権和歌山大会で準優勝し、3年時はベスト8入りした。東海大に進学して学生トレーナーを務め、卒業後は紀北農芸の部長や監督を経て、2014年に和歌山東の副部長に就任。16年から部長を務めている。 「センバツ選出に恥じぬ準備を進める責任がある」。選手たちの見えないところでも大きな支えとなっている。 ◇一球の執着心指導 山根翔希コーチ(25) 選手たちに指導するのは、一球に対する執着心だ。「打撃、守備、投球、全ての一球にこだわりを持つ」ことを掲げる。打撃練習で守備に就くなど、自らのプレーでもって見せることもある。 市和歌山で二塁手として2014年の夏の甲子園に出場したが、初戦で敗退。卒業後は就職することを考えていたが、「甲子園での悔いを晴らしたい」と大学でも野球を続けた。桃山学院大で二塁手や遊撃手として活躍し、リーグ戦春夏連覇に貢献し、ベストナインにも2度輝いた。 新翔で副部長を務めるなどし、21年から和歌山東のコーチに。選手と同じ目線でかかわれる若さが武器だ。