沖縄のチビチリガマに誓った「世界王者」 中谷さん、ボクシング3階級制覇 修学旅行ガイドと交流続く
今年2月に世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチを制し、世界3階級制覇を達成した中谷潤人さん(26)=神奈川県=が4日、那覇市の沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)を訪れ、3階級制覇を報告した。 【動画】3分で知る沖縄戦
中谷さんが中学3年時に修学旅行で読谷村波平のチビチリガマを訪れ、案内役を務めた「地域ガイド風の会」の比嘉涼子さん(67)との12年におよぶ交流を続けている。 中学の修学旅行後には、「沖縄戦で亡くなった人たちの可能性を背負って強くなり、世界チャンピオンになりたい」などと記した手紙をガイドの比嘉さんに送った中谷さん。「3階級制覇を報告できうれしく思う。今後は階級を超えて『世界一強いボクサー』を目指したい」と声を弾ませた。 20年に世界ボクシング機構(WBO)フライ級王者となり、約9年越しに比嘉さんとの「約束」を果たすと、23年には同スーパーフライ級、今年2月にはWBC世界バンタム級を制覇した。無敗での世界3階級制覇は井上尚弥、田中恒成に次ぐ日本人3人目の快挙。 2月の世界3階級制覇を両国国技館(東京)で見届けた比嘉さんは「沖縄観光のために、今後もいろんな面で寄り添っていただけるとうれしい」と中谷さんに語りかけた。
中谷さんは22年、比嘉さんと連携し、読谷村を訪れた修学旅行生向けに、平和への思いや自身の経験などについて講話した。OCVBの下地会長はスポーツツーリズムの観点から中谷さんとの連携を深めたい意向を示し「今後もみんなで応援をしていこう」と職員らに呼び掛けた。 中谷さんは同日、家族と共に比嘉さんの案内で読谷村のチビチリガマや「艦砲ぬ喰(く)ぇー残さー」の歌碑などを訪れた。 (西田悠)
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