4階級制覇王者、井岡一翔がジム独立へ。東京五輪スター候補の大会後プロ転向を見据えた未来の世界王者育成も目的
4階級制覇王者で大晦日にWBO世界スーパーフライ級タイトルの防衛に成功した井岡一翔(30、Reason大貴)がジム独立の準備を進めていることが1日、明らかになった。井岡の所属事務所が中心になって計画しているもので、すでに休会状態となっている「オザキボクシングジム」の経営権を取得、ジムの開設場所を探すなどの準備に入っている。ジムの名称も変えてスタートを切る予定だが、2020年の井岡のビッグマッチ路線を支える拠点としてだけでなく、“ポスト井岡“の若手ボクサー育成が目的にある。東京五輪ではメダリスト誕生への期待があり、そこで注目を集めるスター選手の大会後のプロ転向を見据え、ボクシング界の発展に寄与する目的を兼ねた新プロジム設立の動きとなっている。 大晦日にランキング1位の”難敵”ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)との苦闘を3-0判定で制した井岡の2020年に新たな環境が用意される。現在、井岡の所属事務所が中心になってジム独立の準備が進んでいるのだ。井岡は、2017年の大晦日に電撃引退後、2018年7月に現役復帰。しばらく遊技メーカー「SANKYO」所属で国内ジムに所属せずJBC(日本ボクシングコミッション)に国内ライセンスを申請せずに試合を行っていた。だが、今年3月に国内復帰するためにライセンスを申請、大会「DANGAN」を主催している瀬端幸男氏が会長を務める「Reason大貴ジム」の所属となっていた。だが、世界戦前の合宿など、練習のほとんどは米国ラスベガスで行われ、国内では、元WBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志氏のフィットネスジムで調整するなど、実質、「Reason大貴ジム」で練習が行われる機会はなかった。だが、ジムを独立することで、今後は、日本にいる間の練習場所を間借りすることなく、通常のトレーニング環境が整うことになる。 井岡は、大晦日の試合後に「2020年も自分がやりたいようにやりたいことを表現して、何かを感じさせてもらっている人たちに何かを感じてもらうようなことをしていきたい。田中(恒成)は、まだ階級も上げていない。一番は統一戦。ロマゴンも歓迎する」と宣言。 2020年に他団体との統一戦や、元4階級制覇王者、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)らとのビッグマッチに挑む考えを明らかにしている。ジム独立のタイミングが次戦に間に合えば、そのビッグマッチ路線のバックアップも万全となる。 だが、関係者によるとジム独立の目的は、それだけでなく、“ポスト井岡”の若手育成が大きな部分を占めているという。「ボクシング人気回復とボクシング界発展」のためには魅力のある次世代のボクサーの育成が急務で新ジムをその育成拠点にしたいとの考えがある。