プロテニス選手のセリーナ・ウィリアムズがメイクアップブランドを始動 6年かけて開発
ビューティ業界で活躍する女性アスリート
米国では近年、「グロシエ(GLOSSIER)」や「ミエル オーガニクス(MIELLE ORGANICS)」、「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」をはじめ、ビューティブランドが女性アスリートをアンバサダーとして起用している。とはいえ、アスリートがビューティブランドを立ち上げた事例はまだ少ない。テニスの四大大会を4度制覇した大坂なおみ選手は21年にスキンケアブランド「キンロ(KINLO)」を立ち上げ、5度制覇したロシアのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova)選手は14年にサンケアブランド「スーパーグープ(SUPERGOOP)」の共同オーナーに就任している。
メイクアップブランドを立ち上げた初めてのアスリートであるウィリアムズ選手は、アスリートや黒人女性、ワーキングマザーとしての経験も「ウィン」の開発に生かすことを目指した。ブランドのテーマカラーには、“ウィン・シャルトリューズ(Wyn Chartreuse)”と名付けた鮮やかな黄緑色を据える。「この黄緑色はテニスボールへのオマージュであり、ひいてはチャンピオンシップや勝利へのオマージュでもある」。ウィリアムズ選手は、四大大会の女子シングルで通算23度チャンピオンに輝いている。
セレブリティーのビューティ・ブームを活用する米小売店アルタ
アルタのモニカ・アルノード(Monica Arnaudo)=チーフ・マーチャンダイジング・オフィサー(CMO)は、「私たちは『ウィン』にとても自信がある。非常に長い時間を費やしたし、セリーナには消費者を喚起する力がある。彼女はとてもパワフルで、世界で最も認められている女性アスリートだ。そして、常にビューティに情熱を注いできた」と語る。
アルタはこれまで、俳優のトレイシー・エリス・ロス(Tracee Ellis Ross)が手掛けるヘアケアブランド「パターン ビューティ(PATTERN BEAUTY)」をはじめ、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)やビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)らのフレグランスラインを世に送り出した。アルノードCMOは、「私たちはこれらのブランドの成功や、それらが消費者にどう響くのかを見てきた。マスからマステージ、プレステージ、ラグジュアリーまで幅広い顧客を抱えている。『ウィン』は手ごろな価格帯に設定し、広く消費者へ届けることを目指す」と続ける。
アルタは「ウィン」のローンチに際して、ウィリアムズ選手のロッカールームでのメイクアップ・ルーティーンや、同ブランドの着想源などについていくつかの動画を出す予定だ。