重度障害者ホームに立ち入り検査 神奈川県、運営基準違反か
神奈川県内で重度障害者向けグループホーム(GH)を運営する事業者が、国の運営基準に違反して入居者を急に退去させた疑いがあるとして、県が障害者総合支援法に基づき、この事業者のGH2カ所に立ち入り検査に入っていたことが2日、分かった。 事業者は、同県厚木市の一般社団法人「ワイズ・インフィニティ・エイト」。同県藤沢市と伊勢原市で重度者向けの「日中サービス支援型」GHを1カ所ずつ運営している。 関係者によると、昨年、藤沢市のGHに入居した知的障害の女性にスタッフがうまく対応できず、女性の行動が不安定になったため、入居から1カ月余りでGH側がすぐに退去するよう求めたという。女性は両親のいる自宅に戻らざるを得なくなった。 国の運営基準は「事業者は利用者の希望を踏まえた上で、退去後の生活環境や援助の継続性に配慮し、必要な援助を行わなければならない」と定めており、基準に違反している可能性がある。
同法人の小林雅人代表理事は取材に「退去させたわけではない。入居者側と受け止めが食い違っている」としている。