豊洲市場で水産業者が訓練 ターレ使い出荷までの流れ確認
豊洲市場(同江東区)の開場を5か月後に控え、築地市場(東京都中央区)の水産事業者らは16日、豊洲市場で習熟訓練を行った。小型運搬車「ターレ」などを使って入荷から出荷までの作業を行い、施設の使い勝手を確認した。 【写真】移転直前に浮上した「豊洲」欠陥問題 本当に大丈夫なのか? 1月24日に続き、今回が2回目。水産卸や水産仲卸の事業者や従業員ら約2200人が参加した。
この日は、ターレやフォークリフトを実際に使って、水産卸売場棟(7街区)への入荷から水産仲卸売場棟(6街区)を経て、水産物を市場外に出荷するまでの一連の流れを再現して、場内で商品運搬する際にどんな課題があるかなどを確認した。
6街区と7街区を結ぶ連絡通路では、車両通行の向きを2車線ごとや5車線ごとに入れ替え、どちらがよりスムーズに走行できるかを検証した。6街区の交差点では、直進車や右折、左折車が混じっていても交通が混乱しないかどうかをチェック、各店舗裏の通路では、ターレが複数台停車する中で荷降ろしが問題なく行えるかどうかをテストした。 訓練中、ターレ運転者からは「8キロ以下に」という言葉が聞かれた。市場関係者の話によると、築地市場内を走るターレの速度は時速15キロ程度。今回は築地よりもゆっくりとしたスピードで運搬テストをしていた。 東京都水産物卸売業者協会の伊藤裕康会長は「訓練はまだ規模が小さく、ほんの手慣らし。訓練を何回も行って、課題を一つひとつ吟味して、直すべきは直す必要がある」と今後も引き続き訓練を行う意向を示した。10月11日の豊洲市場開場まで5か月を切ったが、「移転準備は若干遅れ気味。各事業者間の調整など、ピッチを上げて開場に間に合わせたい」と述べた。 (取材・文:具志堅浩二)