ゴルフクラブを車のトランクに積みっぱなしは超危険! クラブの保管方法をフィッターと考えた
そもそも置き場所がなかったり、ゴルフに行った後、つい面倒でキャディバッグを車のトランクに積みっぱなしにしてしまうことはゴルファーならあるはず。「プレー中の思わぬ事故を防ぐためにも、クラブの保管方法は大切です」とギアオタクでフィッターの小倉勇人は語る。
クラブの保管方法にも気を配りたい
クラブフィッター小倉です。今回は、クラブの取り扱いについてです。先日、トーナメントでプレー中にヘッドが抜けてしまうといったことが起きたそうです。使用頻度やパワーが我々とは比べ物にならないぐらい高いツアープロとはいえ、メンテナンスにも気を遣っているはずにもかかわらず、こういったことが起きてしまいます。 個人的な感覚ですが、昔に比べてこういったヘッドが抜けるといった事故は増えていると感じています。理由はいくつかあると思いますが、最も大きな要因は、夏の気温が昔と比べてかなり高くなっているからでしょう。このコラムでも何度もお話ししていますが、真夏にクラブを車のトランクなどに保管していると、非常に高温になり、ヘッドとシャフトを固定している接着剤に大きなダメージを与えます。これらの接着剤は、熱で強度が下がるように作られていますので、高い温度にさらされるほど、強度が下がってしまうのです。 さらに最近のヘッドは、溶接ではなく接着方式で作られているモデルが増えてきています。もちろん十分な強度とテストを重ねて市販されているはずですが、接着という方式を取っている以上、高い温度にクラブをさらすのは、破損のリスクを高めてしまいます。 もう一つ気を付けたいのが、弾道調整機能、いわゆるカチャカチャのネジの緩みです。しっかり締めておけば、めったに緩むことはありませんが、使用していれば緩むこともあります。弾道調整機能を使用していないゴルファーほど、ネジの締め直しをしていないことが多いですので、使用頻度に関わらず、1ヶ月に1回ぐらいは締め直ししておきましょう。もしレンチをなくしてしまった方は、ショップや練習場などに行けば必ずあるはずですので、お借りして締めなおすようにしてください。できればクラブのメーカーに合わせたレンチを使うのがベストです。 ゴルフクラブは、インパクト時に強烈な衝撃が発生します。そんなパワーを生み出すクラブのヘッドが飛んでいってしまったら大変です。強い衝撃を受け止める道具だからこそ、保管場所やクラブのコンディションに気を配るようにしてください。ゴルフクラブのベストな保管環境は、人間が心地よいと感じる空間です。あまりプレーの頻度が高くない方は、たまにバッグからクラブを出し、きれいな布で軽く水拭きした後に乾拭きしてから陰干ししてあげるとコンディションを保ちやすくなりますよ。
小倉勇人