注意されただけなのに「攻撃的な言葉を言われた」「責められた」と感じて泣いてしまう→発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた【作者に聞く】
「はかりの上に物を置かないでね」基本的なことを注意されただけなのに「攻撃的な言葉を言われた」「責められた」と感じてしまい、泣いてしまう。ちょっと注意しただけなのに泣かれてしまい、相手はびっくり!春野あめ(@AmeHaruno)さんの作品「発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた」を紹介するとともに、発達障害である自分と向き合い特性を理解する難しさについて春野さんにインタビューした。 【漫画】本編を読む ■空気が読めず失言ばかり!発達障害の「生きづらさ」から生まれるトラブルを回避するためには? 幼い頃から人間関係に悩み、発達障害と気づくまで8年かかった春野さん。「どうしてできないの?」と責められ、理由も分からず悩んでいた彼女。本作品では、発達障害の特性を理解し、トラブルを避ける方法が描かれている。監修は臨床心理士の中島美鈴さんが務めている。 春野さんがこの作品を描いたのは、前作で発達障害の二次障害に触れた際に編集者から言われた言葉がきっかけだという。「当事者の思考回路を理解することで、周囲の理解も深まるのでは?」との提案に対して、自分の経験を赤裸々に描くことには不安があったが、「発達障害についてより詳しく知ってもらいたい」という思いから、描くことを決意したそう。 春野さんに作品を描くうえで難しかった点について訊いてみると「体験したことを漫画にすることや自分の思考回路を漫画にすることは難しくなかった」と振り返る。しかし、発達障害に関する専門的な知識を取り入れるため、多くの文献を調査、情報を整理することは大変だったそうで、それをひとつの漫画としてまとめる作業は非常に苦労したという。 「自分も発達障害かも?」と感じている人には、悩まずに心療内科を訪れて発達検査を受けてみることを春野さんは勧めている。「診断の有無にかかわらず、自分の特性を知ることが大切です。自己理解が進むことで、つまずきの原因やトラウマが明らかになるかもしれません」と春野さんは語る。 本作品は、「人との距離感がおかしい」「融通がきかない」「自覚なく人を不快にさせる」といったASDやADHDの特性に分かれた13のケースを描き、発達障害における「生きづらさ」の解決の糸口を提供する一冊となっている。興味のある人はぜひ読んでみてほしい。 取材協力:春野あめ(@AmeHaruno)