「魚庭あこう」に「いちじく大福」 シンポで大阪名物候補発見!?
「いちじく大福」のヒットも夢ではない?
女性に人気の「いちご大福」ならぬ「いちじく大福」が、スイーツ店に並ぶ日も遠くないかもしれない。あまり知られていないが、大阪はいちじくの名産地で、収穫量は全国で3位にランクイン。羽曳野市や藤井寺市などの南河内地域、岸和田市や和泉市などの泉州地域が主な産地だ。 消費者を対象にした調査で「果実を食べない理由」を聞いたところ、もっとも多かった回答は「手間がかかる」で4割を超えた。今どきの消費者は、皮をむくことを面倒に感じ、皮をむかなければ食べられない果実は敬遠されがちなことが判明した。 消費拡大をめざすなら、果実を食べない消費者の心を動かす商品づくりが必要との判断から、ミニいちじくがクローブアップ。ミニいちじくはひと口サイズなので「手が汚れない」、皮が薄くて皮ごと食べられるので「手間がかからない」し「ごみも出ない」上、味が濃厚などの利点が多い。 同研究所では複数のミニいちじく品種の試験栽培に取り組む。すでに重量が30グラムと、従来品種の3分の1程度というミニいちじくの収穫に成功している。やや大きめのいちごと同じサイズで、府下の和菓子メーカーと、「いちじく大福」を共同開発したところ、試作品の反響は上々だった。今後は試験中の収量増加技術を確定して農家に指導提供し、新しい「大阪産(もん)」としての普及拡大に取り組む方針だ。 大阪の農林水産業は後継者不足などで低迷を余儀なくされている半面、大きな消費地を抱えているだけに、潜在的可能性は大きい。感度の高い料理人たちは、地元産のすぐれた食材探しに余念がない。成熟した食い倒れ文化を栄養源にして育ち、口の肥えた大阪人にうまいと言わせる食材を提供できれば、面白い展開になりそうだ。 詳しくは大阪府立環境農林水産総合研究所の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)