「高尾山にトリュフ!?」〝高級食材〟見つかる 実は日本に20種以上、栽培技術の開発も
国内のトリュフ事情は
高尾山でのトリュフ発見に多くの人が驚いたように、日本では自生したり栽培されたりしているイメージがあまりないかもしれません。 国産トリュフの現状について、きのこの生態に詳しい国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所東北支所の山中高史さんに話を聞きました。 山中さんによると、トリュフは地中で形成されるきのこで、形は球状から塊状をしています。世界では180種以上が存在すると考えられているそうです。そのうち日本でも20種以上が自生しています。トリュフは生きた樹木から養分を得て生育しています。 なかでも食材としてのトリュフは、今回高尾山で見つかった黒トリュフ「アジアクロセイヨウショウロ」と、白トリュフ「ホンセイヨウショウロ」です。いずれも日本に広く分布していて、「その範囲であればどこで採れてもおかしくありません」。 しかし、日本人にはあまりなじみがなく、出合ったとしても気がつかない可能性があるといいます。 「きのこと言っても土の中で作られ、その一部が地面から顔を出してきます。似た形をしたきのこでは、松林に出る『松露(ショウロ)』とも間違いやすいですね」 形は似ていますが、割ったときにマーブル模様になっているのがトリュフだそうです。 森林総合研究所は、国産トリュフの人工栽培技術開発に向けた研究を続けています。 2022年には茨城県と京都府で白トリュフ、2023年には岐阜県で黒トリュフを人工的に発生させることに成功したと発表しました。 しかし、人工栽培はとても難しく、白トリュフは苗木を育ててから約3年6カ月、黒トリュフは7年ほどかかったといいます。 白トリュフは国内4カ所の試験地に植えていたものの、発生したのは2カ所だったそうです。2022年に発生した白トリュフは22個。最大9センチ60グラムほどあり、食材としては十分なサイズだったといいます。 山中さんは、「現在はまだ『人工的に発生させることに到達した』という段階です。栽培技術が確立してスーパーに国産トリュフが並ぶようになるのはもう少し先。引き続き研究を進めていきます」と話しています。