思うような試合運びができなくても勝ち切る――近江が立命館守山を下し決勝へ
11月5日、第102回全国高校サッカー選手権滋賀予選準決勝が行われ、2年連続出場を目指すプリンスリーグ関西1部勢の近江は立命館守山に1-0で勝利し、11日の決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】近江vs立命館守山 立ち上がりから劣勢を強いられた。ロングボール攻勢に苦しめられ、自陣の深い位置まで押し下げられる。ロングスローも事前に対策をしていたが、何度も何度も放り込まれてしまう。立命館守山のCB阪倉廉太(3年)にペナルティエリア内まで届くようなボールを投げられ、跳ね返す時間が続いた。27分にはCKからニアサイドでMF宮田夢大(2年)にヘディングで合わせられる。GK山崎晃輝(2年)の好セーブに救われ、事なきを得た。 守備陣が奮戦するなか、一方でこの日は攻撃陣が不調。セカンドボールが回収できず、攻めに転じれない。なんとか繋いでも距離感が悪く、決定機を呼べるモノはほとんど作れなかった。 0-0で迎えた後半、前田高孝監督が動く。MF山門立侑(3年)とFW大谷結衣斗(3年)を投入。フレッシュな選手を入れ、人の配置を代えることで流れを引き寄せにかかった。 すると、この交代策が見事にハマる。テンポよくボールを動かし、前線の選手もオフザボールの動きが増えて背後に抜けるシーンが増えた。また、後半はセットプレーから相手ゴールを脅かす場面が多くなり、特にキッカーのMF川上隼輔(3年)とCB西村想大(3年)のホットラインで決定機を作り出す。45分と54分にこの2人のコンビでゴールに迫ったが、西村のシュートが枠を捉え切れない。 0-0のまま、試合は最終盤へ。攻勢を強めながらゴールが奪えない状況が続いたが、最後の最後にゲームが動く。 78分に川上の左CKに西村が頭で合わせ、試合を決める決勝弾をゲット。土壇場でリードを奪った近江が準決勝を突破し、夏のインターハイに続く全国舞台行きに王手を掛けた。