<青の祓魔師 島根啓明結社篇>意外過ぎる内通者に、ルシフェルの宣戦布告…シリーズ最大級の衝撃展開に「ヤバすぎ」「オモロくなってきた!」と悲鳴&絶賛の声
悪魔の血を引く少年・奥村燐(CV:岡本信彦)が、父親である魔神(サタン)を倒すために最強の“祓魔師(エクソシスト)”を目指す『青の祓魔師』のTVアニメ第3シーズン『島根啓明結社篇』(毎週土曜夜24:30-25:00ほか、TOKYO MXほか/U-NEXT・Hulu・dアニメストア・アニメ放題ほかで配信)。悪魔とのド派手なバトルが見どころのダークファンタジーながら、家族や友達との絆、葛藤や成長、青春コメディまで、少年漫画の醍醐味がギュッと詰まった大人気シリーズだ。1月27日に放送された第4話は、意外なスパイの存在が明らかとなった「内通者」。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】自ら”調整役”を名乗る、塾生メンバーの宝ねむ ■出雲、宝、志摩、それぞれの新たな一面が… 学園祭も佳境を迎えるなか、塾生メンバーのひとり、宝ねむ(パペット CV:井上剛)が神木出雲(CV:喜多村英梨)を呼び止める。宝が持っていたキツネのマスコットを見るや、目の色を変えて怒りを露わにする出雲。一方、正十字騎士團の本部では、 アーサー・A・エンジェル(CV:小野大輔)とライトニング(CV:関智一)が啓明結社イルミナティのスパイを尋問、彼らの目的が出雲の拉致であることが分かる。知らせを受けた霧隠シュラ(CV:佐藤利奈)は、燐たち塾生メンバーを集め、出雲の捜索を命じるのだった。 学園祭という最高のシチュエーションでエモすぎる青春劇を見せてくれた第3話から急転直下、冒頭から超シリアスなテンションでの幕開け。とくにアーサーとライトニングによる尋問シーンでは、ライトニングが敵の行動を予測し、あらかじめ妻子を捕らえておくことで口を割らせるなど、手段を選ばない姿勢が印象的だ。アーサーは正攻法、ライトニングは搦め手と、真逆なアプローチが際立っていて、改めていいコンビであることがうかがえる。 宝が言うには自分は「調整役」で、出雲がイルミナティに連行されるのを見守るのが役割だということが判明する。当然それに反発する出雲は、使い魔の白狐“御饌津(ミケ)・保食(ウケ)”を召喚。対する宝も変形ロボット玩具の実物大を召喚する。巨大ロボットを前にうろたえる白狐たちは、”セントガイアロケットパンチ”を食らって消滅。さらに出雲にもパンチが迫り来るが、志摩廉造(CV:遊佐浩二)がそのピンチを救う。さらに志摩は明王クラスの高位悪魔である”夜魔徳(ヤマンタカ)”を召喚して宝のロボットを一蹴。出雲はこの隙に救援を呼ぼうとするも、そんな出雲を気絶させたのもまた、志摩だった。宝から「てめぇがイルミナティのスパイか」と問われた志摩は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。 中盤はとにかく衝撃の展開が目白押しで、すべてが見どころに。まず出雲はこれまでに見せたことがないほどの怒りや動揺を露わにするが、その原因は自分が「神木月雲」に渡したはずのキツネのマスコットを宝が持っていたこと。出雲と月雲の関係性はまだ不明だが、同じ「神木」であることから血縁者の可能性が高く、出雲にとってとても大切な存在であることがうかがえる。他人と距離を取り、家族関係もほとんど描写されてこなかった出雲だけに、彼女の知られざる一面が垣間見えたことは素直に嬉しい。さらに、塾生メンバーの一人でありながらも、これまで全くと言っていいほど存在感のなかった宝ねむの正体が「調整役」だったことにも驚きだ。大手玩具会社の子息らしく、ロボットやぬいぐるみを使役して戦う独特なスタイルも面白いし、何よりも志摩に追い込まれた際には初めて目を開き、謎の力で志摩たちを弾き飛ばしたかと思えば、パペットが宝に「落ち着け」と話しかけるなど、まさしく志摩が言う通り「得体が知れなさすぎ」。宝にはまだいくつもの謎が残っていることを感じさせてくれる。そして、最後は志摩。そもそも志摩が本格的に戦う描写は今回が初めてで、ましてや明王クラスの悪魔を召喚できる実力を隠し持っていたなど誰が予想できただろう? 出雲を肩に乗せて走りながら詠唱し、”夜魔徳(ヤマンタカ)”を召喚して宝を追い詰めていく一連のシーンは、志摩史上、文句なく過去イチでカッコいい。そんな志摩への好感度がMAXに達した瞬間、じつは彼こそが“裏切り者”であることが判明するという流れはジェットコースター的で、多くの視聴者が度肝を抜かれたことだろう。SNSでも「志摩くんカッコよすぎて溶ける」から「嘘でしょ!?」、「きっと何か事情があるんだと信じてる」など、感情の整理が追いつかないファンのコメントで溢れていた。 ■ボス登場と志摩の裏切りに大混乱! そして志摩たちの前にイルミナティのヘリコプターが到着。さらに燐たち塾生メンバーたちも集結するなか、現れたのはイルミナティの総帥である光の王・ルシフェル(CV:内山昂輝)。ルシフェルは正十字騎士團に対して正式に宣戦布告を行ない、一年以内に魔神サタンを復活させることを宣言。さらには出雲を「私の計画に必要」だと言って連れ去ろうとする。たまらずに一人飛び出して攻撃を仕掛ける燐だったが、志摩がこれを受ける。さらに志摩は、事態が飲み込めていない塾生メンバーたちに「みんな、今まで信用してくれてありがとう」と礼を言い残して去っていく。その後、メフィスト・フェレス(CV:神谷浩史)は奥村雪男(CV:福山潤)に、塾生メンバーを連れて出雲の救出に向かうよう命じる。それぞれが志摩に対して複雑な気持ちを抱えるなか、燐は「俺たちで出雲も志摩も絶対取り戻してやる!」と気を吐くのだった。 後半パートに入っても怒涛の展開は続いた。現在の虚無界の実質的な最高権力者であり、メフィストの兄であるルシフェルが初登場。線の細いビジュアルで虚弱でありながら、その存在は燐が無意識に震えてしまうほど。なかでも仮面の奥の瞳がアップで映されるシーンでは眼内に血が流れ続けていて、どこか慈愛を感じさせる声と相まって、底知れぬ不気味さと魅力を感じさせてくれる。またかつての仲間を前にした志摩の態度にも注目だ。燐に人を殺す覚悟を持つように忠告したかと思えば、これまで苦楽を共にしてきたはずの塾生メンバーには笑顔で「ほな、さいならぁ」とあっさり別れを告げるなど、志摩の意図や感情がいっさい読めないのだ。元々と飄々としていて捉えどころのなかった志摩ではあるが、今回はその極みと言える。幼なじみの勝呂竜士(CV:中井和哉)や三輪子猫丸(CV:梶裕貴)の心境を想像するといたたまれない気持ちになってしまうが、そんな状況でもめげないのが燐だ。志摩を敵だと認定するメフィストの胸ぐらを掴み「まだ決まってねえ!」と言い放つ姿はさすが主人公で、逆風に晒されたときの燐の強さに胸を打たれる名シーンだろう。 物語が一気に動き、ダークファンタジーたる真骨頂を見せてくれた第4話。ここから先は出雲の奪還作戦を軸に、出雲のバックボーンや志摩の真意などが明らかになっていきそうだ。次回の第5話「運命」は2月3日(土)放送予定。期待して待とう。 ■文/岡本大介