1億人が愛用、Notion新CTOが語る「チームワークによる開発を徹底する理由」
エンジニアリングの「チームワークを重視」する理由
対する相違点について、コスロウシャシ氏は「Notionの開発スピードがSlackとグーグルに比べてもかなり速いこと」を挙げた。 「Notionはおよそ300人前後のエンジニアリングチームが1つにまとまり、互いに見える距離感で緊密に開発を進めていることの強みを活かし切っていると感じます。だからこそ同様のコネクテッドワークスペースツールの中でも、いち早く生成AIツールとしてNotion AIを採り入れることができたのだと思います」 ■エンジニアリングの「チームワークを重視」する理由 コスロウシャシ氏はNotionのCTOに就任してから、プロダクト開発に関わる人と組織が効率よく動けるように仕組みを整えてきた。より洗練された開発プロセスが実現できた背景には、コスロウシャシ氏のある経歴が寄与したという。 「私は趣味としてサッカーを楽しんでいます。サッカーはチームスポーツですが、『チームワーク』が大事であるという点で、サッカーの試合と企業のプロダクト開発は似ていると思います。私が学生だった頃のポジションは点取り屋のフォワードでした。その後、チームの事情でポジションに下がった経験が今に活きています。その時にチームの勝利を第1に考えながら、フィールドを俯瞰して適切な判断を下すことが大事だと学びました。現在、最も大事なことはNotionの一員として、最高の顧客体験を提供することです。そのためにはチームの1人1人が連携しながら良いプロダクトをつくることが一番の近道なのです」 またNotionのプロダクト開発の環境をブラッシュアップするため、コスロウシャシ氏は今後に向けて3つの改革にも取り組む。 「まずは無駄のないフラットな組織を作り直しました。CTOとエンジニアリングに携わるスタッフとの間に立つ15人のチームリーダーから私のところに直接レポートが届く体制としてスピードアップを図りました。次にCPO(チーフプロダクトオフィサー)のAkshay Kothari(アクシェイ・コターリ)と私が、連携しながらすばやく決断を下せる組織にしました。エンジニアリングとマーケティングのチームが一体になって機能することが重要だからです」 そして3番目の改革として、組織の中に情報が正しく伝わるパイプラインも作った。 「情報伝達のためのミーティングは密に行います。Notionの組織には開発プロセスを管理するプロジェクトマネージャーを置いていません。にもかかわらず、全員がフラットに問題とその解決のための方策を共有できる透明性の高い環境があります。円滑なプロダクト開発のために欠かせない条件です」