センバツで見つけた夏が楽しみなドラフトの逸材10人…ノムさん“右腕”元ヤクルト編成部長が厳選
吉岡、高尾とは対照的な素材型投手としては、青森山田の関浩一郎と櫻田朔の大型右腕コンビが目立った。関は最速147キロをマークしている。ただ松井氏は「関はまだリリースが安定せず、櫻田は上体が大きくぶれるフォームが理想形とは言えない」と指摘。また1m84から投げ下ろすストレートが145キロをマークした“栃木の怪童”こと小川哲平(作新学院)も「素材としては抜群だがプロの評価は割れるだろう」との評価に留まった。 番外編としてリストアップしたのが左腕の竹下海斗(敦賀気比)。初戦で明豊に敗れたが、松井氏は、その投球のほとんどを占めたチェンジアップと、ノーヒットに終わったものの、4番打者としての打撃センスが目を引いたという。 「ストレートは130キロ台で現時点でプロはしんどいが、チェンジアップという特殊球があり、打者としても野球センスを感じさせる選手」 一方の野手で真っ先に名前があがったのは、吉岡から大会第1号を放った左のスラッガー、モイセエフ・ニキータ(豊川)。両親がロシア人で愛知県生まれ。松井氏は、その第1打席で一塁手が捕れなかったほど、上空へ高く舞い上がったファウルフライに注目した。 「低反発バットでつまりながらライトポール際にまで運んだ本塁打以上に驚いたのが、あのファウルフライ。中田翔(現中日)が大阪桐蔭時代に打ち上げた打球に重なった。相当のスイングスピードがなければ、ああいう打球は打てない。将来クリーンナップを打てる素材。打撃フォームにクセがないのがいい。こういう選手はプロで伸びる。外野守備ではスタートが遅れるなど印象は良くなかったが、そこは克服できる部分」 次に推したのは優勝した健大高崎の主将で「4番・捕手」の箱山遥人。5試合で打率.444、6打点と結果を残し、二塁送球タイムも1.8秒台を誇る強肩捕手だ。 「打撃の固さに課題は残るが、長打力があり、決勝戦の最初の打席で今朝丸の外角の変化球に対応するなどのセンスが光る。捕手としては、どっしりした打撃とは対照的にフットワークが機敏で動きが柔らかい。捕手を補強ポイントとしているチームが多いだけにドラフトでは注目捕手の1人になるだろう」 スリランカ人の両親を持つ右打ちの一塁手ラマル・ギービン・ラタナヤケ(大阪桐蔭)も魅力の素材。しかし、今大会では全試合で4番を任されたものの11打数2安打と結果を残せなかった。
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