名スカウトが見た甲子園。プロで使える人、使えない人。
一方で、巨人で活躍、ロッテでは監督も務めた山本功児さんの息子で、今大会では、3本塁打を放った九州国際大付のスラッガー、山本武白志についての評価は、特Aとはいかなかった。 「パワーがあるところは見せたが、守るところがない。パ・リーグ向きの選手かもしれないな。野手については、各球団のチーム事情とスカウトの問題がある。外野手では、天理の船曳、東海大相模の遊撃手の杉崎らも面白いが、強豪チームの野手は鍛えられて野球を知っているから外れがない。逆に言えば、小さくまとまって伸び幅がないともいえる。スカウトがそこをどう見抜くか。野手に関しては好みが強く出る」 元キャッチャーであった片岡氏は、キャッチャーについては注目して見ているが、健大高崎の柘植世那、早実の加藤雅樹の名前を挙げた。 「どのチームもキャッチャーは取っておきたいだろう。今大会では、健大高崎の柘植と早実の加藤の2人。柘植は、上背が足りないが、フットワーク、キャッチングなどもよかった。早実の加藤は、185センチ、85キロとサイズもあるし、甲子園で勝ち進むにつれて育った一人だな」 片岡氏は、独自目線で「使える人」「使えない人」を選んだが、「これだけ情報網が発達するとAクラスの評価の選手は、だいたい横並びになる。どの選手もプロに行ってもおかしくないということ。あとは、スカウトと球団の好みの問題になってくるからな。結局のところスカウトの目なんて節穴。本人次第で大化けする可能性は、そのクラスの選手なら誰にもであるんだ」という。 甲子園は、通常では考えられないような力を発揮させ、高校生を育てる舞台だというのも片岡氏の持論。準決勝、決勝の戦いの中でドラフト候補たちは、どんな活躍を見せてくれるのだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)