道路崩落で集落孤立「独居老人も多い場所」人工透析の対象者はドクターヘリで病院へ 集落内に観光地「出雲日御碕灯台」観光関係者悲鳴
9日に降った大雨の影響で、島根県出雲市では、県道が崩落し、その先にある日御崎地区では235世帯が孤立状態となっています。 観光客60人以上も取り残されました。孤立集落にいる人に、いまの状況を聞くことができました。 【写真を見る】道路崩落で集落孤立「独居老人も多い場所」人工透析の対象者はドクターヘリで病院へ 集落内に観光地「出雲日御碕灯台」観光関係者悲鳴 島根県出雲市では、9日、県道が崩落し、その先にある日御崎地区では235世帯が孤立状態となっています。観光客65人も一時取り残されました。 その後、10日午後には、継続滞在を希望した1人以外の64人を船や車で移送したということです。 日御崎地区には、観光地の「出雲日御崎灯台」があり、宿泊施設や土産物店もそれぞれ10軒程度あります。夏休み目前に控え、観光地に大打撃となりました。 集落内で民宿を経営する男性は… 民宿を経営する男性 「直近の分は全部キャンセルでしょうけど、長期にわたることになると、どの辺まで予約を入れていいのか…断らないといけないのかが非常に見通しが立たないのが困ります」 今週は3連休、その後は書き入れ時の夏休みを目前に控え、不安だけが募ります。 また、地区には独居老人も多く、孤立状態が長期になると健康面での不安もあります。 民宿を経営する男性 「病院、お医者さんはいませんので全部地区を出ないといけない、出雲大社まで。それと食料の調達、生活物資、そういったものが長期になれば枯渇してくるということです」 孤立集落内にある宇龍地区では、避難所にもなっているコミュニティセンターが住民の医療的なケアに当たりました。 日御崎コミュニティセンター センター長 「宇龍地区には、3名ほど人工透析の対象者がおられます。人工透析する者についてはドクターヘリをきょうは用意をして病院の方に行きました。 あとは、海上自衛隊の船も待機してもらっているので、もし緊急で何か出た場合はそちらの方で対応する予定」 電気や水道などライフラインは無事ということですが、懸念されるのは食料や薬など日用品の不足です。 日御崎コミュニティセンター センター長 「港湾業務艇というのがありまして、物資を運んで今日13時に物資が運ばれてくる」
10日昼過ぎ、飲料水などの支援物資を積んだ国交省の港湾業務艇が宇龍港に到着し、支援物資が住民へ届けられたということです。 日御崎コミュニティセンター センター長 「観光船を営んでいる方からも観光船30人くらい乗せられるので、それで人を運んでくださいとか、水難救済隊、地元の消防も色々な物資とか人の輸送とかにも協力してくださいますので、いま日御崎全体であたっている」 県では崩落した県道の復旧作業を急ぐとともに、他に通行できるルートがないかや、船での移動などについても調査を行っているということです。
山陰放送