【Cycle*2024 ティレーノ~アドリアティコ:プレビュー】グランツールやクラシックへと続く道 ツール王者ヨナス・ヴィンゲゴーも参戦の「2つの海をつなぐレース」
これらコースで力を発揮するであろう選手たち。やはり前記した通り、ヴィンゲゴーが個人総合のマリア・アッズーラ争いで中心となる。ツールを連覇し、プロトン最高のライダーとなってティレーノへと還ってくる。前の出場は2022年で、そのときはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)に次いで個人総合2位で終えている。今年はジロ・デ・イタリアで総合エースを務める見込みのキアン・アイデブルックスや、登坂の安定度が高いアッティラ・ヴァルテルらが脇を固めるので、山岳ステージを中心にレースをコントロールするだろう。
対抗できるとすれば、グランツールで実績を持つ選手たちが挙がる。サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルウラー)は2月にアルウラー・ツアーで勝ち、ベン・オコーナー(デカトロン・アージェードゥーゼールラモンディアル)もUAEツアーでステージ1勝を含む個人総合2位と好調。2年前のジロ・デ・イタリアを勝つなどイタリアのレースにめっぽう強いジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)や、今年は復権を誓っているリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)も調子を合わせてくるはず。
ヴィスマ・リースアバイクとならぶスーパーチームのUAEチームエミレーツは、フアン・アユソを中心とした布陣。当初はアダム・イェーツの参加が見込まれていたが、UAEツアーでの落車による脳震盪で一時的に戦線を離脱中。若きエースのアユソへの期待が高まる。
戦い方を知るエンリク・マス(モビスター)、怪我から復帰のテイオ・ゲイガンハート(リドル・トレック)も今年のグランツールでは主役候補。このレースでも動向は押さえておきたい。今季はステージレースの個人総合争いにも注力したいというトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ)も上位戦線に顔を見せるか。
スプリンターでは、フィリプセンに加えて、UAEツアーでハットトリックのティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)、カレブ・ユアン(ジェイコ・アルウラー)といったビッグネームが集結。ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)やビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)も状態が良ければ好勝負を演じるはず。マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン)もハマれば一発がある。
【関連記事】
- 【Cycle*2024 ストラーデ・ビアンケ ドンネ:レビュー】世界女王ロッテ・コペッキーがシエナ・カンポ広場に虹を架ける! マイヨ・アルカンシエルでの勝利に「一生に一度の喜びかもしれない!」
- 【Cycle*2024 ストラーデ・ビアンケ:レビュー】大会創設以来最長81kmの独走!2位以下に大会史上最大のタイム差2分44秒で勝利したのはタデイ・ポガチャル
- 【Cycle*2024 パリ~ニース:プレビュー】まさしくツール・ド・フランスの前哨戦、五輪への敬意も表しつつ7月の四天王頂上決戦へ向けてログリッチとエヴェネプールが直接対決
- 【Cycle*2024 ストラーデ・ビアンケ:プレビュー】215kmのロングレースとなったストラーデ・ビアンケ、グラベル区間と激坂も増えて難易度も人気もさらに高まる
- 【Cycle*2024 ストラーデ・ビアンケ ドンネ:プレビュー】コペッキー&フォレリングのチームメート対決の再現は!? ウィメンズプロトンの構図がはっきりと示される“白い道”