ドル高・米金利上昇で世界が「フリーズ」、日本も動けず-エラリアン氏
(ブルームバーグ): 世界中の政策当局者がドル上昇と米金利高止まりへの対応に苦慮していると、モハメド・エラリアン氏は指摘した。
エラリアン氏は16日、「全般的なドル高にどう対応するべきか、世界中の当局者がややフリーズ(停止)状態に陥っている」とブルームバーグテレビジョンで発言。「米金利の全般的な上昇にどう対応するのか」と問いかけた。同氏は英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジの学長で、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストも務める。
「残念ながら過去には、この2つが行き過ぎると、他の何かを壊してしまうことがあった」と付け加えた。
エラリアン氏は当局が行動できなくなっている主な例として、円が最近1ドル=154円台に下落したことを挙げた。こうした円の動きにもかかわらず、日本当局は為替介入にまだ踏み切っていない。ドルは年初から急伸。一連の米経済指標が他国と比べて堅調な中、市場で米利下げ観測が後退し続けていることが背景にある。
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米金融当局が利上げを実施する可能性は低いが、ゼロではないとも同氏は指摘。「インフレがもっと悪化すれば、利上げもあり得る」と述べた。ただし「利上げをすれば、地方銀行の危機が起こるだろう。市場にあらゆるダメージをもたらすことになる」と続けた。
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原題:El-Erian Says World ‘Frozen’ by Strong Dollar, High US Rates(抜粋)
--取材協力:Lisa Abramowicz、Jonathan Ferro、Annmarie Hordern.
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Carter Johnson