「ワンルームエンジェル」第5話より

上杉柊平と西村拓哉(Lil かんさい)がW主演を務めるドラマ「ワンルームエンジェル」の第5話が11月16日にMBSドラマシャワー枠(毎週木曜深夜1:29-1:59ほか、MBSほか、Huluでも配信)で放送された。天志(西村)と仲良くなったA君(田中洸希)が拗らせて、悲劇に見舞われるようすがあまりに辛く、胸が痛んだ。(以下、作品のネタバレを含みます) 【写真】学ラン姿の西村拓哉“天使”、イヤホンをして物憂げに外を見つめる ■「ワンルームエンジェル」とは 原作ははらだが手掛ける、感涙必至の同名コミック。人生投げやりなヤカラ男と記憶喪失中の生意気すぎる天使の不思議なシェアライフを描く。衝撃的なストーリー展開と心をえぐる心理描写で多くのファンを抱えるはらだが、“史上最も優しい物語”として同作を送り出し、「嗚咽するほど泣いた」「何度読んでも涙が止まらない」と幅広い層に支持されている。「このマンガがすごい！」2020 オンナ編13位受賞ほか、数々の賞を受賞し話題となった。 本ドラマでヤカラ男・幸紀役を務めるのは、ドラマ「18／40～ふたりなら夢も恋も～」(TBS系)ほか、大河ドラマ「麒麟がくる」(2020～2021年、NHK総合)、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016年、NHK総合)、映画「夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く」などの作品で話題を集め、圧倒的な存在感と芝居力で魅了し続ける上杉。Lil かんさいのビジュアル担当として、儚げな美貌とトーク力で人気を集め、ドラマ「なれの果ての僕ら」(テレビ東京系ほか)など俳優としても活躍の幅を広げる西村が天使を演じる。また、田中洸希、おいでやす小田、長谷川京子らが共演し、監督は枝優花が務める。 ■天志にA君がちょっかいを出して、しだいに仲良くなるが… 惰性で毎日を送っていたコンビニ店員の幸喜(上杉)は、うっかりチンピラに刺され瀕死になった折、遠のく意識のなかで、真っ白い羽の美しい“天使”(西村)を見る。お迎えかと思いきや、その後すっかり完治して帰宅すると、そこにはあの時の天使がふてぶてしい態度で居座っていた。記憶がなく腹も減ったという天使を不憫に思った幸紀は、仕方なく家に置くことにする。 だが2人は幸紀が刺された現場近くで飛び降り自殺をしたという男子学生の噂を知り、天使がその学生と瓜二つであることを知る。そして幸紀と天使は、自殺した学生の父・高科から得た情報と天志が残した記録を合わせ、失われた天使の記憶の一部を知ることに。 クラスでひとりで過ごす天志にA君がちょっかいをだして仲良くしようと言い、やがて2人は親しくなっていつも一緒に過ごすようになる。そして、天志は交友関係も広がり、A君の仲間とも仲良くなっていく。 その頃から、A君は天志への当たりが強くなっていき、嫌がらせするようになる。 ■天志が「ヘンタイ」と突き飛ばすと逆ギレしたA君は… 修学旅行の夜、天志がひとりで部屋にいると、お酒を飲んだA君がやってきて、天志にお酒を飲むように強要する。揉め合いになって天志が突き飛ばすと、A君はじっと天志を見つめる。A君がにじり寄って天志の顎を持ち上げると、天志は「ヘンタイ」とまた突き飛ばす。 A君は「お前、ふざけんなよ。俺のこと舐めてんだろ！バカにしてたよな！」と逆ギレして天志を無理やり窓際に連れていき、「飛べ。ほら、飛んでみろ」と脅す。天志はガタガタと震えて「ごめんなさい！ごめんなさい！」と何度も繰り返すと、A君は天志を部屋の中央に突き飛ばす。 A君は「何マジになってんだよ、バカか」と窓際に腰掛け、荒い呼吸でうずくまる天志に向って罰が悪そうに「おい、なぁ、天志」と声かける。そして、「さっきのはさ…」と言いかけてポケットから何か出そうとしながら、窓の柵に手をかけると呆気なく下に落下してしまう。 呆然として誰もいなくなった窓際を見つめる天志。恐る恐る窓際に近づくが、下に顔を向けられずに「下が見れない…見れない！見れない！見れない！」と心のなかで叫ぶ。下に落ちて血を流すA君の手元には、仲が良かった時に天志がプレゼントしたサッカーボールがデザインされたハンカチが落ちていた。 天使の過去の出来事があまりに衝撃的で辛く、胸が痛んだ。 ◆構成・文＝牧島史佳