民放連ドラ初主演の仁村紗和は“背中で語る女”？

ーー仁村さんにとっては民放連続ドラマ初主演作という記念すべき作品でもありますね。 仁村：ものすごくありがたいのと同時に、プレッシャーもあって。だからこそ良い作品にしたいなという強い思いを持ちつつ、若い方々にパワーをもらいながら撮影に臨んでいます。 渡邉：さっき本人は「イジられてる」って言ってましたけど、最年長の彼女がこの感じなのが逆にありがたいんですよ。もっとすんとしている人だったら、ここまでの関係性は生まれなかったと思いますし、ドラマの中の掛け合いやテンポ感を掴むのに、仲を深めることってすごく大事だなと思いました。主演の仁村紗和さんが本当に素敵で。 片山：“背中で語る女”ですよね。 仁村：ちょっと！（笑） 渡邉：でも本当にすごいんですよ。カメラが回った瞬間に急にビシってなるので。そういう姿を見て、私も刺激を受けます。 仁村：なんかそんな効果があるみたいです、私（笑）。 莉子：分け隔てなく接することができる人って、こういう人なんだなと思いました。マネージャーさんをはじめ、スタッフさんや私たち、本当に誰に対しても接し方が変わらないんですよ。それってなかなかできることではないと思うので、すごいなと思いました。 ーー事前に抱いていたイメージと、実際共演してみて印象が変わった方はいますか？ 仁村：一番は片山ですね。すっとしたモデルさんみたいな雰囲気のイメージだったんですけど、意外とコミュ力が高いし、しかもめっちゃ喋るし。 莉子：友希ちゃんは、待ち時間とかに、スマホをいじったりするんじゃなくて、いつも喋りかけてくれるんですよ。それがすごく嬉しくて。私はそういうときに人とコミュニケーションを取りたいタイプなんですけど、自分からはなかなかできないこともあって。すんなりできるのは素敵だなと思いました。 仁村：美穂はアイドルをやっていたから自我が強いのかなと思っていて。 莉子：あ～、わかるわかる。 仁村：だけどすごい周りを見てる。 莉子：そう！　気遣いがすごい。 仁村：気遣い屋さんで、紗奈という役をやるのにピッタリでした。 渡邉：そんなそんな～（笑）。 莉子：べみほ（渡邉）はなんか“ポワポワ”してる。わかる？ 一同：あ～。 莉子：ゆったりしてる感じがすごく居心地よくてありがたかったです。 仁村：莉子ちゃんはやっぱり歳が離れているから、「本当に仲良くなれるのかな」とか「話が合うのかな」とか思っていたんですけど、全然そんなこともなく。 片山：しっかりしてるよね。 仁村：うん、すごいしっかりしてる。みんなすごい“いい”ギャップがありましたね。 莉子：みんなギャップあるよね。素敵。 ーー話は尽きないですが、ドラマの終盤に向けて、皆さんの“観てほしいポイント”や視聴者の方にメッセージがあれば教えてください。 片山：「私は関係ない」と思っていることも、実はそうではなくて。このドラマのテーマである「望まない妊娠」や「中絶」という出来事は、皆さんのすぐ側にあることなんだということが伝わったらいいなと思います。 莉子：この4人でいて、役でも素でもそうなんですけど、友達の存在って大きなと思っていて。ドラマでは同じ寮で暮らしている4人ですけど、そこで手を取り合ったりすることができるんですよね。私は第1話で妊娠が発覚するという重いシーンがあったんですけど、他の3人に話すことができるという安心感があったから乗り越えることができました。1人でも2人でも、周りに誰かがいるということのありがたみというか、みんな1人じゃないんだということが伝わればいいなと思います。 渡邉：「自分を大切にするって、そんなこと言われてもどうにもできないときってあるよね」という由希（仁村紗和）のセリフがあるんですけど、その言葉が私にはすごくグサっときて。「まさか自分がこんなことに巻き込まれるとは」とか「まさか私がこんな目に遭うとは」ということが、誰にでも起こる可能性があるんですよね。そうなったときに、いかに周りの人に頼れるか、そして自分を守ることができるのか。私自身も撮影を通してその大切さに気づいたので、そういうところを皆さんにも知っていただけたらなと思います。 仁村：私もそのセリフにすごく共感できるところがありましたし、これは男女問わずにいろいろ感じるところだと思うんですけど、やっぱり若いときって特に、学校や会社などいろんな枠がある中で、SNSの影響も相まって、すごく苦しくなることがあると思うんです。私自身も上京したときは、たくさんの人と友達になりたかったし、いろんな世界や文化に触れたかったから、いろんな人に会っていたんですけど、誘われても断れなくなることも出てきちゃって、どんどん苦しくなっている自分がいたんです。そこで思うのは、やっぱり自分を守れるのは自分だけだということ。ちゃんと自分の意思を確認して、自分のことをわかってあげた上で行動しなければいけないなと、このドラマをやっていて思いました。人それぞれに幸せのものさしがあって、幸せの見つけ方も人それぞれで違うので、正解はないと思うんですけど、このドラマにはそういうことのヒントがある気がしているので、考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。