《ブラジル》駐在員居住許可サポートのツニブラIMG社=現地で活躍する日系企業の今(19)
「ブラジルで活躍する日系企業の今」を紹介する本連載の第19回目は、ツニブラIMG(イミグラソン)社の共同経営者の一人、小宮陽氏(66、神奈川県)に話を聞いた。コロナ禍のダメージにより2020年、約70年の歴史を持つ伯国のツニブラ旅行社が閉鎖し、日系社会にも大きな衝撃を与えた。その際に、同社が日本人駐在員などに向けて居住許可取得代行サービスを行っていた部署の事業を継承し、新たに設立されたのがツニブラIMG社だ。ブラジルに赴任する日本人駐在員にとって最初の現実的な課題である居住許可の取得手続きをサポートし、安心して伯国に着任できるよう、縁の下の力持ちとして日系進出企業を支えている。
魅せられたブラジル人の温かさ
小宮さんは学生時代にブラジルのリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレに一年留学して以来、日伯間を何度か往来してブラジルでの生活が通算約35年となった。「やっぱり人間関係ですね」と振り返り、最初の留学でホストファミリーとなったブラジル人家族の人懐っこさ、優しさに魅了され、当地に住みたいと思うようになったと打ち明けた。 一年の留学を終えて帰国した翌年、大学の教授から「バイーア州カマサリに石油化学コンビナートが建設され、日本の大手化学メーカー企業が進出し、州都サルバドールに駐在員とその家族が増加した。その駐在員子弟の教育のための日本人補習校を立ち上げるために、緊急に教師を募集しているが、君、受けてみないか」との話を持ちかけられた。
応募したところ選抜試験に受かってしまい、サルバドールで2年間、にわか教師として働くことになった。「当時、小1から中3まで12人くらいの生徒がいましたが、子供たちは皆よい子で楽しい時間でした。今はもう50代くらいになっていて、中にはブラジルに来ている子もいるかもしれませんね」と当時を懐かしむ。 その後もブラジルへの思いは断ち切れず、サルバドールから帰国後は、日本のツニブラ旅行社に就職し、間もなくサンパウロに異動することになった。5年間サンパウロで働き、その時に現在に直結する労働許可のプロセスに関する仕事を覚えた。その後、日本に帰任、ツニブラを退職、ブラジルに現地法人のある日本企業に転職し、1999年に再びブラジルに赴任するに至った。 2005年に本帰国の事例が出た時、偶然、当時、退任間近の営業担当取締役の後任を探していたツニブラ旅行社の社長から後任として来てくれないかと誘われ、二つ返事で誘いを受けた。
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