マレー、最後のウィンブルドンで涙「やめたくないからつらい」。約5年ぶり兄とのダブルスは初戦敗退[ウィンブルドン]【テニス】
マレー、兄ジェイミーとのダブルスは初戦敗退
現地7月4日、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子ダブルス1回戦が行われ、今夏での引退を示唆している元世界ランク1位のアンディ・マレー(イギリス)は、兄のジェイミー・マレー(イギリス)と組んでセンターコートに登場。リンキー・ヒジカタ/ジョン・ピアースのオーストラリアペアに6-7(6)、4-6で敗れた。 【動画】マレー、最後のウィンブルドンで涙あり、笑いありのセレモニー 37歳のマレーは、今年2月に「夏を過ぎたらあまりプレーするつもりはない」と今夏での引退を示唆。残り少ない現役生活に全力を注ごうとしていたところ、3月には左足首の靭帯断裂とツアーから離脱してしまう。さらに、前哨戦ATP500ロンドンで背中を負傷。手術を受けたものの、回復は間に合わず2013、2016年に制したウィンブルドンでのシングルス出場は叶わなかった。 それでも最後にウィンブルドンのコートに立とうとダブルスのみ出場。この日は、兄ジェイミーと約5年ぶりのタッグでオーストラリアペアに挑んだが、ストレートで敗れた。 試合後のセレモニーでは、“BIG4”として切磋琢磨しライバルとして立ちはだかったロジャー・フェデラーやラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、そしてミックスダブルスの元パートナーでもあるセリーナ・ウイリアムズらのメッセージが流された。 観客から万雷の拍手を送られたマレーは、涙ながらにユーモアを交えてインタビューに答える。チームや家族に感謝の言葉を述べつつ、「プレーしたいけど続けられない。体力的にもう厳しいんだ。怪我が積み重なり、それが少しのことではない。ずっとプレーしたい。それほどこのスポーツが大好きだ。僕に多くのものを与えてくれ、これからの人生で役立つ教訓をたくさん教えてくれた。やめたくないからつらい」と語った。 2005年に本格的にプロとしてツアーを回り始めて20年。3度のグランドスラム優勝などを含むツアー46勝やオリンピック2大会連続での金メダルなどの偉業を成し遂げた。 それでもマレーは、「完璧にはほど遠かった」と謙虚に述べ、「よくやったと思うのは、大会で優勝したときや試合に負けたとき、手術や挫折を経験したときの次の日には、いつもその前の日と同じような姿勢と情熱を持って仕事に臨むことができたということ」とテニスに全身全霊をささげることができたことを誇った。 2019年の全豪オープンでは臀部の怪我により引退を示唆し、1回戦敗退後に大会はフェデラーやナダル、ジョコビッチらそうそうたる選手たちのビデオメッセージを流した。だが、その後に手術を受け、金属の人工股関節を入れてツアーに復帰。5年半もプレーを続けた。 「(2019年の全豪オープンについて)正直そんなに覚えてないんだ。少しやるのが早すぎたね」と笑ったが、「今日がここでプレーする最後の試合になるとはっきりわかっていたから、試合までの準備や先週までのことなどすべてが感情的だった。2、3日後のミックスダブルスも楽しむよ」と最後のウィンブルドンを楽しんだ。 盛大なセレモニーが行われたマレーは、2021年全米オープンチャンピオンのエマ・ラドゥカヌ(イギリス)と組んでミックスダブルスに出場する。
Tennis Classic 編集部