「なんだテメェ! くだらない質問しやがって!」ドンとテーブルを叩いて激怒…神田伯山が明かすアントニオ猪木の記憶
「ダークな本音」、たとえばテレビ朝日の弘中綾香アナ。 「いま読み直してみると、弘中アナの発言、危なっかしいんですよ。『せっかくテレビ局に入ったので。テレビって広い意味で考えたら、大衆を扇動することができるじゃないですか』とか(笑)。危なっかしい発言はこれだけじゃなくて、よくぞこの原稿をテレ朝の広報が通したと思います。テレ朝としても推してる時期だったと思いますし、本人も野心満々だった時期の感じが出ていると思います」
中村勘九郎が明かした父との葛藤
歌舞伎役者の中村勘九郎は、父である十八代目中村勘三郎が亡くなってからの葛藤を吐露している。 勘九郎 父を好きな人が、中村ファンになってくれた。で、僕が父ゆかりの演目とかをやるじゃないですか。もう、全然です。 伯山 全然……というと。 勘九郎 まず、僕のやることに気持ちがついてきてくれないですから。 勘九郎はまた、勘三郎が亡くなってからの不遇についても触れており、こうした発言は、歌舞伎に関連するメディアでは絶対に読むことができない。 伯山も伝統芸能の世界に生きる者として、勘九郎の話には感じるところがあった。 「勘九郎さんはお父さまである十八代目勘三郎さんの背中を追ってらっしゃる。私が思うに、師匠から芸を受け継ぐということには“遺産”と“負債”の両面があると思っています。一般的には遺産の方に目が向けられますが、寄席演芸の世界では師匠が亡くなると、精神的にも、芸の面でも解放される方が中にはいます。 勘九郎さんの場合、お父さまとは、当たり前のことですがニンが違う。解放されてもいいじゃないか、と僕なんかは思ってしまうんですが、平成中村座やコクーン歌舞伎を引き継いでいく使命もある。そういうあらゆる呪縛を背負いながら舞台に立つって格好いいと思いました」
「お前は猫背を直せ」と言われた松之丞は…
伯山自身は、講談を受け継ぎ、次世代へつないでいく立場の人間として、「継承」をどう捉えているのだろうか。 「2017年から、お正月に連続物を読ませていただいています。年明けにも『清水次郎長伝』を5日間連続で読みますが、正月早々、お客さまもいろいろなことを犠牲にして会場に集まるという、たいへん負担の大きな会となっております(笑)。 でも、私がこうして連続物に取り組んでいるのも、一門の歴史が関係しています。大師匠にあたる二代目の神田山陽は『十話も二十話も続く連続物なんて、もう誰も聞かないよ』と一話完結の読み切りにシフトしたんです。ところが、私の師匠である神田松鯉は講談の本質は連続物にあると考え、嫌がる師匠から話を教えてもらった。つまり、師匠を否定した『鬼っ子』だったからこそ、今の講談があるわけです」 伯山も、神田松之丞と名乗っていた頃は講談の先生たちからの助言を素直に聞かなかったと振り返る。 「松之丞、お前は高座での猫背を直せ、と散々言われました。でも、直さなかったです。余計に猫背にしてやろうと思ってました(笑)」