ソニー、欧州で起こした“PSP向けチート”製造業者との訴訟で敗訴 改変手段を争点に10年以上続く
欧州司法裁判所が今月17日、ゲームチートの製造・販売を手がけるDatel社とソニーとをめぐる訴訟について、Datel社勝訴の判決を下していたことが分かった。この係争は10年以上に及んでいた。 【画像】かつて発売されていた「所持金MAX」を実現できるコードフリーク 訴訟の発端となったのは、2009年にPSP向けに発売されたレースゲームで動作するのチートプログラムをDatel社が販売したことにある。問題とされたチートは、ゲーム内でのブースト(ターボ)制限を解除し、無制限に使用可能になるなどの機能があったという。 ソニーはPSP時代よりこのツールか著作権侵害であると主張し、訴訟に発展。当初の判決ではソニー側が勝訴する形になっていたものの、のちのDatel社による控訴で覆された。 当時の報道や司法側の資料によると、今回のプログラムはソフトウェア自体を改変するものではなく、PSPのメインメモリに保存されたコードを操作しているに過ぎないとDatel社側は主張していた。いわゆるメモリの数値を変更する「パラメータ改変」と見られ、ソフトウェアの改変には当たらないと判断されたようだ。 一方で、この判決はソニーがチートメーカーに対して行った訴訟であるため、一般ユーザーは対象にしていない。つまり、ソニーがチートプレイヤーを規制すること自体は引き続き有効となる。また、欧州の司法での判断となることにも注意が必要だ。 また、チートの使用用途に関して、オンラインなどで第三者とプレイするマルチプレイヤーゲームについては、ゲーム体験悪化などの別の問題も生まれる可能性があり、別の考慮が必要になるとの見解も示されている。 なお、PSPの改変ツールとしてはかつて、日本でも「コードフリーク」がサイバーガジェットより発売されていた。こちらも前期と同様に「ゲームのプレイ中に変動する数値(パラメータ)を直接編集」する手法を使って、「無敵」「所持金MAX」「ステータスMAX」「レアアイテムゲット」などが可能になっていた。
編集部 IT/デジタル担当