山崎賢人、世界遺産での撮影は「エネルギーが満ちあふれる映像となりました」
安倍晴明が陰陽師になる前の学生時代を描いた映画「陰陽師0」が4月19日(金)に公開される。同作のキックオフイベントが2月19日に京都・仁和寺で開催され、山崎賢人・染谷将太・奈緒・佐藤嗣麻子監督が登壇した。 【写真】和風の雰囲気がカッコイイ…和傘を携え、印を結んだポーズをとる登壇者たち ■世界遺産・仁和寺で映画のイベントを初開催 同作は、夢枕獏による小説「陰陽師」シリーズを基として、その前日譚を完全オリジナルストーリーで描いた作品。主人公・安倍晴明を山崎が演じるほか、晴明と衝突しながらも共に事件の解決に挑む貴族・源博雅(みなもとのひろまさ)を染谷が演じ、物語の発端となる事件に巻き込まれる皇族の徽子(よしこ)女王を奈緒が演じる。 今回のイベントは、映画のロケ地でもある世界遺産“京都・仁和寺”で開催。仁和寺で映画のイベントが開催されるのは今回が初となる。 ■山崎賢人「世界遺産となる場所はパワー、エネルギーがすごい」 イベントは「撮影でもお世話になった仁和寺でイベントが出来て、とてもうれしいです」という山崎のあいさつからスタート。 仁和寺をはじめとした、壮大なロケ地での撮影について、山崎は「昔から残っていて、世界遺産となる場所はパワー、エネルギーがすごいと思うので、そのような場所で晴明を演じたことで、エネルギーが満ちあふれる映像となりました。金堂の中も研ぎ澄まされた空間で、静寂に包まれていました。完成した作品にも映し出されているので注目してほしいです」と、通常は非公開となっている国宝・仁和寺金堂での貴重な撮影を振り返った。 染谷は「歴史を刻んできた場所に立って、演技するというのは賢人くんが言うように、エネルギーや場所の力を借りて演技をさせていただきました」と語り、奈緒は「(私の撮影は)夜のシーンが多く、東京にはない暗闇を感じました。没入感のある中での撮影でした。また、とても美しい衣装も着させていただきました」とコメントした。 そして、佐藤監督はロケ地として仁和寺を選んだ理由を聞かれると、「天皇家に代々縁のあるお寺で、晴明が教えを請いに行った人物が実際にいた場所とされている場所だったので採用しました」と明かした。 ■奈緒「奇跡みたいなものが集まった作品」 原作者の夢枕と佐藤監督の親交が深いからこそ生み出された本作。完成した作品について山崎は「率直にとても面白かったです。現場では想像でしかなかった呪術を使うシーンやVFXの部分を完成した作品で観られて、うれしかったです。僕も呪術を使えるようになりたいですね」と感想を。 染谷は「想像を超えて面白かったです。壮大なエンターテイメントでずっとスクリーンに釘付けでした」と視聴当時を回顧。奈緒は「誰かと語り合いたいと思う作品でした。とても美しくて、誰も見たことがない作品が国宝と呼ばれる場所で撮影されて、それがスクリーンに閉じ込められてる。そんな今だから出来る奇跡みたいなものが集まった作品です」と思いを語った。 また佐藤監督は「まずは獏さん、そして獏さんのファンを喜ばせたいという気持ちでした。原作から外れないように意識しました。作品を見て、獏さんが泣いてくださったので、すごくうれしかったです」と述べ、夢枕のコメントを披露すると、こみ上げるものがあったのか、言葉を詰まらせる瞬間もあり、並々ならぬ想いで本作に挑んだことをうかがわせた。 ■山崎&染谷、顔を見合わせ「最強バディ誕生だよね」 山崎が演じた若き晴明について染谷は「かっこよさの中に繊細さがあった。安倍晴明もひとりの人間なんだなと思いました。それにすごく感動しました」、奈緒は「完全無欠にみえるが、実は弱い部分があって、それを乗り越えた人なんだなと思いました。作品を見ることで安倍晴明という人物を心から愛することができました」と2人とも絶賛。 また、山崎は「とても恰好良かったと客観的に見て思いました。陰陽師になる前の若き安倍晴明、博雅との関係性を監督と染谷君、3人で作っていくことが非常に楽しかったです」と撮影を振り返り、「最強バディ誕生だよね」と山崎と染谷で顔を見合わせた。 映画の公開について、なぜ今晴明を映画化したのかと問われると、佐藤監督は「作品の中で暗示や思い込みを “呪”(しゅ)と呼んでいるのですが、昨今のインターネットも事実が何かというのは関係なく、検証することなく論争する世の中になっていて、みんな“呪”にかかっているなと気づきました。それを祓えるのは昔からのヒーローである安倍晴明しかいないと思ったんです」と現代と呪いの関係性と共にその必然性を語った。 ■山崎賢人、呪術人気は「目に見えない心の部分を大事にしたいからなのかな」 呪術によって顕現する、火龍と水龍の激突や“舞い”のアクションも本作の魅力のひとつ。このアクションシーンについて山崎は「圧倒的なスケールでした。晴明の人間離れした動きを表現するために、重力を感じさせないアクションに挑戦しました。アクション監督である園村さんが羽生結弦さんの演技を見て着想を得たとおっしゃっていました」と新体験アクションの裏側を告白。 また、近頃は若者の中でも“呪術”や“陰陽師”に興味がある人が多いことから、その魅力について問われると、佐藤監督は「心の闇を祓ってもらいたい人が多いんだと思います」とコメント。そして、染谷は「呪術というのは人の感情、愛情、憎しみ、関心に深く関わっている。そこにはドラマがあって、洗い流したいという欲求があるのかなと思いました」と考察し、山崎は「自分自身に“呪”をかけてしまっていたり、目に見えるものだけで判断してしまう世界になっていて、目に見えない心の部分を大事にしたいという本質があるからなのかなと思います」と各々想いを語った。 そして最後に山崎より「日本の呪術はここから始まります。ぜひスクリーンで楽しんでください」と締めのあいさつがあり、イベントは幕を閉じた。 ※山崎賢人の崎は正しくは「立つ崎」