前作の反響は予想外だった?『ジョーカー2』トッド・フィリップス監督が続編を制作した理由とは
10月11日(金)に日本でも公開された『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』通称『ジョーカー2』。全国368劇場889スクリーンにて上映され、10月11日(金)から10月14日(月・祝)で約28万人を動員、興行収入は約4.5億円を記録して週末公開作品洋画初登場1位のスタートを切った。 【写真と動画】「希望に満ちている」と監督が意味深に語る『ジョーカー2』予告&場面写真 前作『ジョーカー』はその完璧で衝撃的なストーリーと唯一無二の鑑賞互換から多くのリピーターを生み、世界興行収入は1,500億円超え、数々の賞レースを席巻するなど空前の大ヒット。その続編であり完結編となる『ジョーカー2』でも監督を務めるトッド・フィリップスは、前作公開時の反響について「世界中からこんなにも受け入れられるとは予想していなかった」と告白。そして前作公開前は続編は制作しない方針を口にしていたトッドが続編の製作に踏み切ったのは、社会現象にまで繋がった世界的な盛り上がりが理由であると明かした。 本作の主人公は、孤独だが純粋で心優しい男は笑いのある人生は素晴らしいと信じ、コメディアンを夢見て都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながらドン底から抜け出そうともがいていたアーサー。しかし理不尽だらけの世の中で、不遇な生い立ちに行き場のない“怒り”を募らせた男は悪のカリスマ・ジョーカーへと変貌を遂げる。 トッド・フィリップスは前作の制作当時を振り返り、「私たちが前作を制作していた時、この作品が世界中の観客とこれほど深い共鳴を得るとは考えていませんでした。私と主演のホアキン・フェニックスは当時から続編について話していましたが、それは真剣なものではありませんでした」と続編の制作は予定されていなかったことを明かしている。しかし公開直後から衝撃的かつリアリティのあるストーリーと、狂気的ながら共感を呼ぶジョーカーのキャラクターが話題を呼び、第92回米アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞を含む最多11部門にノミネート、当時のR指定作品として史上最高のヒットを記録するほどの衝撃作となった。 世界中に“ジョーカー熱”が伝播し衝撃を与えた当時についてトッドは「作品が本当に大成功を収め、世界中での反響は私たちにとっては嵐のようなものでした」と語り、制作陣もここまでの話題作になるとは予想していなかったいう。さらに「反響の凄さを乗り越えるのには時間がかかりましたが、ジョーカーの物語に対する観客の反応を見て、考えが変わりました。私たちは、続編を作るならどうするかについて電話で話し始め、それが徐々に進化していったのです」と、世界中での“ジョーカー旋風”を受け、本来予定されていなかった続編制作の企画が進行したことを告白した。 『ジョーカー2』では、前作から2年後を舞台に、社会への反逆者にして人々の代弁者として祭り上げられたジョーカーのその後が描かれる。ジョーカーはレディー・ガガ演じるリーと呼ばれる謎の女と出会い、ジョーカーの狂気がリーへ、そして群衆へと拡散し、世界中を巻き込むジョーカーの世紀のショーがはじまる。 誰もが一夜にして、祭り上げられる時代。本当のジョーカーは、誰なのか? かつて孤独で心優しかった男の暴走の行き着く先とは? トッド・フィリップスは本作について「ジョーカーとは誰なのか、自分自身を受け入れることがどういう意味か、最終的には受け入れる必要があるのか? この作品はジョーカーのアイデンティティの物語です。そしてこの映画は、ジョーカーにとって前作よりも無限に希望に満ちていると思います」と意味深な言葉で締め括った。