マエケン、ダルに上原……メジャーのプレーオフで日本人選手を何人見れる?
ナ・リーグは、西地区では前田健太投手の所属するドジャースがトップを走っている。 今季開幕からローテーションを守っているのは前田のみ。頼みのエース、クレイトン・カーショーも椎間板ヘルニアで6月末から戦列を離れた。ただその間、マイナーから急遽メジャーデビューを飾った当時19歳のフリオ・ユリアスや8月1日のトレードでアスレチックスから得たリッチ・ヒルらで踏ん張ってきた。抑えのケンリー・ジャンセンが健在だったのも助けとなり、大きく崩れることもなくシーズンを乗り切った。9月は連敗なし。先発陣の故障が相続く中、根気強さで勝利を重ね、8月中盤以降から西地区トップを保持。首位攻防戦となる21日のジャイアンツ戦では前田が先発し、日本人投手の1年目としては史上最多の16勝目をマーク。マジックナンバーを前日の「7」から「5」に減らすなどドジャースの地区優勝への前進に貢献した。 そのジャイアンツだが、主力のバスター・ポージーが終盤不調に陥るなど、チームとしても8月半ばから敗戦を重ね、勢いを失っている。ただ実績があり、攻守にバランスの取れたチームである。22日からはプレーオフ戦線から外れたパドレスと、ほぼ可能性のなくなったロッキーズの7連戦を控えているだけに、ドジャースにとっては油断ができない。 ナ・リーグの東地区は、ナショナルズの優勝でほぼ決まり。21日のマーリンズ戦で勝って、地区優勝へのマジックを「2」とした。 さて日本人メジャーリーガーが多数絡むワイルドカード争いだが、ア・リーグは、ブルージェイズ、タイガース、オリオールズ、アストロズまでが、2ゲーム差内で大混戦。ただ、オリオールズは生き残りをかけた19日からの対レッドソックス4連戦をホームで3連敗と失速。ブルージェイズも9月に入ってから打線が下降気味で、今後、一転二転する可能性もありそう。 岩隈、青木の所属するマリナーズが、2ゲーム差。8日からの怒涛の8連勝でプレーオフ進出に望みかけたが、その後の6試合で2勝4敗と後退。しかし、ワイルドカードを争う21日のブルージェイズ戦では、エース、ヘルナンデスが7回を2安打無失点の好投で延長の末、競り勝ち。青木は、この試合で先制打を放つなど、過去5試合で18打数7安打と気を吐いている。20日の同カードで3回3分の1で8安打6失点して期待を裏切った岩隈が、次の登板で、17勝と同時に逆転でのワイルドカードを狙うことになる。 ヤンキースは、3ゲーム差で一歩後退。中継ぎ陣が崩壊していて、唯一、先発の中で、頼れるマー君の登板回避も大きく影響しそう。日本のファン目線からすると、この2チームの奮起に期待したいところだ。 ナ・リーグのワイルドカード争いは、メッツ、前述したジャイアンツ、カージナルスの三つ巴。昨季ワールドシリーズまで勝ち進んだメッツが、同ポストシーズンで先発登板したジェーコブ・デグロム、マット・ハービー、スティーブン・マッツが揃って故障で今季絶望となりながらも、しぶとく勝っている。だが、プレーオフを戦い慣れたジャイアンツと、カージナルズもそう簡単には撤退しない。一方、イチローの所属するマーリンズは、借金生活となっていて可能性は、かなり薄くなってしまった。 メジャーが最も加熱するポストシーズンで見ることのできるる日本人メジャーリーガーは、今のところ5人が、ほぼほぼ確定。これが7人に増えるか、それとも……。