見たら幸せ? ドクターイエロー風電車の正体は…
そこで地元の鉄道愛好家や関連ウェブサイトを通じてマネートレインの情報を収集した。すると、現行車両はかつての6000系の営業用車両を改造したことが分かった。車内にあった座席は取り払われ、床一面にお金を置けるスペースが広がっている。真偽は定かではないが、「大量のお金を積んでも重みに耐えられるように床を補強している」との説もある。 マネートレインは少なくとも新型コロナウイルス流行前までは「平日ならば1日2回出動していた」(事情通)という。運用時には駅に停車すると特定の扉が開いて係員が下車し、自動券売機などにたまったお金を回収して専用のカートで運ぶ。日本の鉄道警察隊に当たる首都圏交通局の警察官も同乗して「強盗被害を防ぐために銃を装備して護衛している」(同)とされる。係員はお金の回収が終わるとカートを電車に運び込み、扉が閉まると発車して次の駅での回収作業に向かっていく。 謎が謎を呼ぶのか、マネートレインを巡ってはうわさ話も絶えない。一例として現行の6000系は老朽化しているため、日立製作所グループが25年に納入を始める予定の次世代車両「8000系」の一部として「置き換え用の車両が造られるとのうわさがある」(鉄道愛好家)と聞いた。
実現すれば現行のマネートレインをまねて「黄色の外観になる」とまことしやかに語られている。だが、歌手の山本リンダさんがヒット曲「どうにもとまらない」で「うわさを信じちゃいけないよ」と戒めたように、現金を運ぶ車両のうわさを信じるのは厳禁だろうか? ☆大塚圭一郎(おおつか・けいいちろう)共同通信社ワシントン支局次長。マネートレインを巡っては、米ニューヨークの地下鉄で積まれたお金の強奪を狙う内容の米映画「マネートレイン」(1995年公開)が制作されましたが、興行成績は“金のなる木”というほどではなかったようです。